2007GW企画〜10日間征服−民法・親族相続

 GWは遊びたいがな〜というのが人情というものである。が、受かりたいなら、こんなまとまった期間はもったいないで。しかし、いつもと同じことをやるのもね。
 ということで、この10日(7日までかかってしまうが)親族・相続の重要条文をマスターしようっていう企画を立てました。重要条文をピックアップし、それに解説をつけ、問題を解くという勉強をします。
 たいした分量ではないので、まあ、がんばってやっていこう。
 今年受かれば来年は気兼ねなく遊べるからさ。
 
4月30日(月) 第2章 婚姻 第1節 婚姻の成立 第2款 婚姻の無効及び取消し
【解説】
 婚姻も無効になったり、取り消したりすることができるが、大事なことは財産法の総則の規定が適用されないということ。これは覚えておかなければならん。
 つまり、だ、
 婚姻をすると「当事者間に、精神的・肉体的共同生活を伴うのが通常であるため、財産関係と異なっていったん成立した以上その事実関係を文字どおりに原状回復するということは不可能」(司法協会・親族法相続法講義案p49)ということになっている。そのため婚姻の効力を否定することはあまりやらん方がいいという要請がある。
 ただ、その一方で、婚姻というのは、当事者もそうだし、周囲にもいろいろな影響が及ぶことであるから、その成立に瑕疵があったならば、婚姻の効果をなくするようにしなければならんという要請もはたらく。
 そんなわけで、民法としては、財産法の総則部分の規定を適用しないこととし、なるべく婚姻を存続させようとしつつ、婚姻が無効になったり取り消せる原因を限定したり、取消の手続を定めたりして、妥当な解決を図ろうとしている。
 
(婚姻の無効)
第742条 婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
二 当事者が婚姻の届出をしないとき。ただし、その届出が第739条第2項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。
 
【参照条文】
(婚姻の届出)
第739条
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
 
【解説】
 財産法の総則では、法律行為は、心裡留保とか虚偽表示、錯誤、公序良俗違反なんかで無効になるが、婚姻が無効になるのは、742条に掲げられている事由がある場合に限られる。
 ただ、2号本文の婚姻の届出をしないとき、というのはそもそも婚姻成立の形式的要件を欠くわけで、婚姻が有効・無効というより、婚姻は不成立であるから、2号本文は無意味な規定といわれている。とはいえ、但書の方は、739条2項の要件を欠いても、婚姻届が受理されてしまえば、婚姻は有効に成立し、効力を妨げられないということになり、こっちの方に意味があるといわれている(ヨカッタ)。
 なお、婚姻意思が欠けていて婚姻が無効となる場合、具体的にどうなるかだが、この無効は誰でも、いつでも主張できる。大金持ちのおばあさんが若い男と婚姻したものの(別に意図はない。逆でもいい…。)、婚姻届を出してすぐに死んでしまったとしよう。おばあさん(おじいさん)に子供がいても、財産の半分はその若い男(女)が持っていってしまうわけで、子供たちはなんとか婚姻無効に持ち込もうとするだろうな。無効なら自分たちも主張できるから…。
 
【問題】
 民法は法律婚主義をとるから、婚姻する当事者に婚姻意思がなくても、婚姻届を提出した場合は、有効な婚姻となる。
 
解答欄
O X
(婚姻の取消し)
第743条 婚姻は、次条から第747条までの規定によらなければ、取り消すことができない。
 
【解説】
 婚姻の取消し事由は、744条から747条までに定められている事由に限られているが、大まかに2つに分類されている。
・公益的な理由から〜婚姻障害がある場合(全部ではない)
  婚姻適齢に達しない場合、重婚になる場合、再婚禁止期間に婚姻する場合(女の人だけ)、いけない近親婚
・私益的な理由から
  詐欺または強迫によって婚姻させられた場合
 
【問題】
 17歳の男と17歳の女が婚姻届を提出しても、その婚姻は無効である。
 
解答欄
O X
(不適法な婚姻の取消し)
第744条 第731条から第736条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
2 第732条又は第733条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消しを請求することができる。
 
【解説】
 婚姻の取り消しは誰でもできるというわけではない。限定されている。当事者は取り消せるが、公益的な理由による場合は検察官も取り消せる。検察官は当事者が婚姻していたい取り消さないでと言っても取り消せる。ただ、夫か妻のどちらかが死んでしまったら、取り消せない。そっとしておいてくれる。
 なお、重婚や再婚禁止期間中の婚姻については、当事者の配偶者や前の配偶者も取り消せる。その人たちにも影響があるから。
 私益的な理由による場合は、詐欺・強迫を受けた者だけが取り消せる。
 
 取消しは、家庭裁判所に請求する。相手方に対する意思表示ではだめ。婚姻の取り消しは身分関係の変動だから、きちっとした形で、慎重かつ明確にやらなければならんから。
 
【問題】
 男が16歳、女が18歳であったのにも関わらず、婚姻届が受理されてしまった。その場合、婚姻の当事者が婚姻関係の維持を望んでも、検察官は当該婚姻を取り消すことができる。
 
解答欄
O X
(婚姻の取消しの効力)
第748条 婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。
2 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受けている限度において、その返還をしなければならない。
3 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならない。この場合において、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する責任を負う。
 
【解説】
 取消しが認められても、遡って当初から無効とはならない。取消しの時から、将来に向かってのみ効力が生ずる。一度婚姻生活が始まるといろいろな関係が出てきてしまうのであって、それを一気に壊すわけにはいかないからさ。
 ただし、当事者間の財産関係については遡及効が認められる。つまり不当利得(703条、704条)と同様に処理される(2項、3項)。当事者だからその辺はね。
 しかし、第三者に対する関係では、遡及効は認められない。たとえば、婚姻が取り消される前に、夫が日常の家事について債務を負ったとする。この場合は、婚姻が取り消されても妻も連帯して債務を負うことになる。
 
【問題】
 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならない。この場合において、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する責任を負う。
 
解答欄
O X
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