2007GW企画〜10日間征服−民法・親族相続

 GWは遊びたいがな〜というのが人情というものである。が、受かりたいなら、こんなまとまった期間はもったいないで。しかし、いつもと同じことをやるのもね。
 ということで、この10日(7日までかかってしまうが)親族・相続の重要条文をマスターしようっていう企画を立てました。重要条文をピックアップし、それに解説をつけ、問題を解くという勉強をします。
 たいした分量ではないので、まあ、がんばってやっていこう。
 今年受かれば来年は気兼ねなく遊べるからさ。
 
5月3日(木) 第3章 親子
【解説】
 嫡出でない子は、母とは、原則として、分娩の事実によって当然に母子関係が発生するが、父とはどうかというと、認知によって父子関係が生ずるということになっている。
 認知というのは、嫡出でない子を自分の子と認めるということで、認知により法律上の父子関係が生じます。
 で、認知には、任意認知と強制認知がある。任意認知とは、父が嫡出でない子を、自発的に認知すること。逆に子の方からも認知の訴えをすることができ、その訴えが認められてなされる認知を強制認知という。
 
(認知)
第779条 嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。
 
【解説】
 本条が任意認知を定めている。
 ところで夫が愛人との間にできた子を妻との間の子として出生届を出したらどうなるだろう。嫡出子にはならんが、認知の効果が認められている。
 
【問題】
 嫡出でない子について任意認知の主体は、父又は母である。
 
解答欄
O X
(認知能力)
第780条 認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。
 
【解説】
 任意認知は、その意思に基づき自発的にするものだが、認知の意味が分かる意思能力さえあれば、未成年者又は成年被後見人でも単独ですることができる。逆に法定代理人は代わって認知をすることはできない。
 
【問題】
 成年被後見人の嫡出でない子について、当該成年被後見人自身が認知できる他、その後見も当該成年被後見人に代わって認知をすることができる。
 
解答欄
O X
(認知の方式)
第781条 認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。
2 認知は、遺言によっても、することができる。
 
【解説】
 認知は遺言ですることもできる。生存中に認知できない事情ってのもあるからさ。遺言で認知する場合、遺言者が死亡し、遺言の効力が生じたときに認知の効力が認められる。
 
【問題】
 認知は遺言によってすることも認められているが、その場合に認知の効力が生じるのは、遺言者が死亡し、遺言の効力が生じたときである。
 
解答欄
O X
(成年の子の認知)
第782条 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。
 
【解説】
 任意認知は、父が自発的に行うものであり、いわゆる単独行為である。ということは誰の承諾もいらんというのが原則だが、成年に達した子を認知するには、その子の承諾が必要だというのが本条の規定である。
 成年の子を認知するときに、何で承諾が必要かというと、まだ未成年のうちは親が監護養育をしなければならんわけで、その時は認知せずに放っておいたくせに、子が成年に達したために、子に対して扶養を求めることができるようになった途端に認知しようなんていうのは虫がよすぎるぞ、ということ。勝手には認知させるか、ゴルア、ということだ。
 
【問題】
 A男は、婚姻外でX、Y、Zの3人の子をもうけたが、いずれの子についてもまだ認知していなかった。Aは3人の子が成年に達した時に、3人とも認知しようとしたが、Xは認知を承諾したものの、Y,Zは承諾しなかった。この場合において、Aの法律上の子となるのはXのみであり、Y、ZはAとの法律上の親子関係は生じない。
 
解答欄
O X
(胎児又は死亡した子の認知)
第783条 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。
2 父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。
 
【解説】
 任意認知は、父が自発的に行うものであり、いわゆる単独行為である。ということは誰の承諾もいらんというのが原則だが、胎児を認知するには、その子の母の承諾が必要だというのが本条の規定である。
 なぜ母の承諾が必要かというと、母の名誉や利害に配慮する必要があるということが1つ。あんたが父親じゃ、ちとまずいという場合もあるだろうということ。それから認知の真実性を確保するため、つまり誰の子かを本当に知っているのは母だけ…、だから。
 
【問題】
 父は胎児を認知することもできるが、その場合には、胎児の代理人としての母に承諾を得なければならない。
 
解答欄
O X
(認知の効力)
第784条 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。
 
【解説】
 認知の効力は、認知した父と子の間に法律上の親子関係が生じることだが、認知の効力が生じるのは認知の時(=認知届が受理された時)である。ただし、いつから親子になるかというと、認知の時ではなく、出生の時であるから注意のこと。
 
【問題】
 A男が婚姻外でもうけた子Xを認知した。その場合、AとXとの間に法律上の親子関係が生じるのは、Aが提出した認知届が受理された時である。
 
解答欄
O X
(認知の取消しの禁止)
第785条 認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。
 
(認知に対する反対の事実の主張)
第786条 子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。
 
【解説】
 これは、通説の考え方なんだが、認知というのは、客観的な事実の承認であって、真実の親子関係がある以上、詐欺や強迫によって認知することになっても取り消すことができないというのが本条だということになっている。
 
 もっとも、認知は、@真実の親子関係があること、A認知者が意思能力を備えていること、B認知する者の真正な意思に基づくことが必要であるから、@〜Bのどれかが欠ける場合は認知しても効力は生じないので、要注意。
 こういう場合は、子やその他の利害関係人は、認知が事実に反して無効だと主張できる、というのが786条な。で、認知した者が死んでしまった場合でも、認知無効の訴えを提起できる(検察官を相手にする)。
 じゃ、@〜Bが欠ける場合に、認知した本人は無効を主張できるだろうか、っていうと、判例はダメといっている。学説はいいといっている。
 
【問題】
 認知をした父は自らした認知を取り消すことができないのであって、認知後に認知した子との間に事実上の親子関係がないことが判明しても、その認知の効力を否定することはできない。
 
解答欄
O X
(認知の訴え)
第787条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から3年を経過したときは、この限りでない。
 
【解説】
 本条の認知の訴えでされる認知が強制認知。
 この条文で注意するのは、訴えの主体の点。
@子は、意思能力があれば、法定代理人の同意なしに単独で訴えを提起できる。
A子の直系卑属(子、孫…)は、子が死んでからでなければ訴えを提起できない。
B法定代理人は代理人の資格で訴えを提起できる。子が意思能力を有していても、子を代理して訴えを提起できる。
C胎児及びその母は訴えを提起できない。
 
 被告は父(又は母)だが、死んでしまったら、その日から3年以内に訴えを提起しなければならない(相手方は検察官)。父(又は母)が生きている間は、いつでも提起できる。
 
【問題】
 A男は、婚姻外で子Xをもうけたところ、Xは死亡した。Xに子Yがいた場合、YはXの死亡の日から3年以内であれば、Aに対し認知の訴えを提起できる。
 
解答欄
O X
(準正)
第789条 父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。
2 婚姻中父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得する。
3 前2項の規定は、子が既に死亡していた場合について準用する。
 
【解説】
 準正(じゅんせい)とは、父母の婚姻によって、嫡出でない子が嫡出子の身分を取得することである。婚姻していないのに子供を作ってしまったカップルが婚姻するよう仕向けるためと、非嫡出子の福祉のための制度。
 準正には婚姻準正と認知準正の2種類ある。
 婚姻準正というのは、すでに父から認知されている(嫡出でない)子が、父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得するもの。
 認知準正とは、認知されていない(嫡出でない)子の父母が婚姻し、その婚姻中に父が認知してその子を認知することによって嫡出子の身分を取得するもの。
 認知と婚姻の順序が違う。
 準正については、いろいろな問題点がある。
 たとえば、認知されていない子の父母が婚姻したものの、離婚してしまった後に認知した場合、(認知)準正の効果を生じるか。789条をみると、「婚姻中父母が認知」とあるから離婚したらだめなんじゃないのとも考えられるが、実務的には離婚後の認知でもいいよ、ということになっている。また父の死亡後に認知の訴えが認められた場合、認知準正の効果が生じる。
 
 なお、準正の効果は子が死亡している場合でも生ずる。認知した子が父母の婚姻前に死んでしまったり、婚姻後認知しようと思っていたのに、死んでしまったとかの場合で、これらの場合の準正を死後準正という。
 
 それから、準正の効果が生じる時期だが、婚姻準正も認知準正も、父母の婚姻の時とされている。
 認知準正の場合、条文は認知の時からとなっているが、それじゃかわいそうな場合が出てくるので、実務では婚姻の時に準正の効果が生じるということにしている。
 つまり、父の死後に強制認知があると認知準正となるが、認知の時から、つまりに父の死後に嫡出子となるとすると、父の死亡時(=相続開始時)には嫡出子でないということだから、父を相続できないということになってしまうので、それはかわいそうだということ。
 
【問題】
 認知されていない子の父母が婚姻したが、その後離婚したところ、離婚後に父がその子を認知した。この場合も認知準正の効果は父母の婚姻の時から生じる。
 
解答欄
O X
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