2007GW企画〜10日間征服−民法・親族相続
GWは遊びたいがな〜というのが人情というものである。が、受かりたいなら、こんなまとまった期間はもったいないで。しかし、いつもと同じことをやるのもね。
ということで、この10日(7日までかかってしまうが)親族・相続の重要条文をマスターしようっていう企画を立てました。重要条文をピックアップし、それに解説をつけ、問題を解くという勉強をします。
たいした分量ではないので、まあ、がんばってやっていこう。
今年受かれば来年は気兼ねなく遊べるからさ。
5月4日(金) 第3章 親子
第2節 養子
【解説】
養子制度は、常識的に分かっていると思うが、自然血縁の親子関係にない者の間で法的に親子関係を擬制する制度のことだ。
民法といえば、普通養子と特別養子がある。
以下、重要条文をみていこう。
第1款 縁組の要件
【解説】
縁組の要件には、形式的要件と実質的要件とある。
形式的要件とは、まあ、縁組の届出をするということだな(799条、739条)。
実質的要件とは、縁組意思の合致があること、届出をする意思の合致があることと、いわゆる縁組障害がないことだ。
以下、条文をみていこう。
(養親となる者の年齢)
第792条 成年に達した者は、養子をすることができる。
【解説】
夫婦が養親となるには、夫婦とも成年者でなければならない。
婚姻による成年擬制によって成年とみなされる者も養親となることができるとされている。
【問題】
18歳のA男と16歳のB女は、それぞれ父母の同意を得て婚姻した。この場合、ABは養親となることができる。
解答欄
O
X
(尊属又は年長者を養子とすることの禁止)
第793条 尊属又は年長者は、これを養子とすることができない。
【解説】
養子となることについての唯一の制限規定。つまり、養親より年少でありさえすれば、養子となることができる。嫡出でない子のほか、なんと孫や弟、妹も養子にすることができる。また、本当の親子ほど年が離れていなければならんということもない。
なお、夫婦で養子をとる場合、夫婦とも養子より年上でなければならん。さもないと本条に反する。
【問題】
A男(30歳)とB女(20歳)は、Aの弟C(21歳)と養子縁組をしようとしている。この養子縁組は認められる。
解答欄
O
X
(配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組)
第795条 配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。
(配偶者のある者の縁組)
第796条 配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければならない。ただし、配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。
【解説】
本条が重要なのは、従来の規定が改正されたから。つまり従来は配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者とともにしなければならず、原則として夫婦の一方だけでは縁組をすることができなかった。また、配偶者のある者が養子になる場合も夫婦そろって養子になる必要があった。しかし、そういう規定には批判が強く、昭和62年に改正されたというわけだ。
つまり、配偶者のある者が未成年者を養子とする場合は、依然として、配偶者とともに縁組をしなければならないが、そうでない場合は、夫婦の一方が単独で縁組できることになったというわけだ(ただし配偶者の同意は必要)。また配偶者がある者も自分ひとりだけで養子になることができるようになった。
さらに、但書の部分だが、配偶者がある者が未成年者を養子とする場合でも、単独で養子縁組ができるとする例外を設けた。
【問題】
A男は、15歳のXと養子縁組したいと考えたが、Aの妻Bは反対であった。この場合も、Aは単独でCと養子縁組をすることができる。ただし、CはBとは何ら血縁関係がないものとする。
解答欄
O
X
(15歳未満の者を養子とする縁組)
第797条 養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる。
2 法定代理人が前項の承諾をするには、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが他にあるときは、その同意を得なければならない。
【解説】
本条の縁組を代諾縁組という。なお、15歳以上の者は、意思能力があれば、誰の同意もなしに養子縁組をすることができる。
なお、法定代理人でない者が代諾した場合でも、養子が15歳に達した後に追認すれば、縁組は当初から有効になるとされている。
(未成年者を養子とする縁組)
第798条 未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、この限りでない。
【解説】
家のためとか、親のためとか、子の福祉に関係のない理由で養子縁組がなされるのを防ぐため。但書のように、子の福祉に問題がなければ、家庭裁判所の許可はいらない。
なお、但書の配偶者だが、配偶者が死んでしまったり、離婚した場合、その配偶者の子を養子とするには家裁の許可が必要となる。つまり但書の配偶者は、現在の配偶者という意味。子供がいる者を養子にした場合、養子の子供は自己の直系卑属ではないから、その子供を養子にするにはやはり家裁の許可が必要。
【問題】
13歳の者と養子縁組にするにあたっては、法定代理人が、養子に代わって縁組の承諾をすることができるから、家庭裁判所の許可を得る必要はない。
解答欄
O
X
第3款 縁組の効力
【解説】
養子縁組がなされると、養親子関係が創設される。
具体的には下記条文のとおり。
なお、注意すべきは、養子縁組をしたからといって、養子とその実親との親族関係がなくなるわけではないということ。したがって、養子は養親との間で扶養とか相続の関係をもつ一方で実親とも扶養とか相続の関係をもつことになる。
(嫡出子の身分の取得)
第809条 養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
【問題】
AB夫婦とCは有効に養子縁組をした。この場合、Cは出生の日に遡ってABの嫡出子の身分を取得する。
解答欄
O
X
(養子の氏)
第810条 養子は、養親の氏を称する。ただし、婚姻によって氏を改めた者については、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、この限りでない。
【解説】
養子縁組が成立すると、養子は養親の氏を称することになる。ただ、夫婦が同一の氏を称さなければならないというのとは異なり、養子縁組後に養親の氏が変わっても、養子の氏は変わらない。
但書がわかりにくいかもしれないが、この意味は、婚姻するとたとえば妻は氏が変わるが、その婚姻中に、妻が誰かの養子になっても、婚姻中は養親の氏を称するわけではないということ。
【問題】
A女は、B男と婚姻し、その氏としてB男の氏を称していた。そして、その後、AはXY夫婦の養子となった。その場合、Aが称する氏は、XYの氏である。
解答欄
O
X
第5款 特別養子
【解説】
特別養子縁組とは、実方の血族との親族関係が終了する縁組のことである。これにより、養親と養子との間に実親子と同様の親子関係が創設される。また家庭裁判所の審判によること、実親との親子関係が消滅することなどを特徴とする。
なにゆえに、普通養子の他に、特別養子制度なるものが作られたかというと、本来、養子制度というのは、恵まれない子に暖かい家庭を与え、その健全な育成を図るための制度であるものの、普通養子では、たとえば、家名を継がせるためによそから子供をもらってくるだとか、将来世話をしてもらいたいがために養子をもらっておくなどということが行われることもあり、本来の目的とはかけ離れた目的で利用されることがあること。また、制度的にも、実親子関係と養親子関係が併存したり、離縁がいつでも可能であったりと、養親子関係は、かなり不安定な関係であったりする。
そこで、養子制度本来の目的に立ち返り、創設されたのが特別養子制度というわけだ。そんなわけで、養親と養子との間に実親子と同様の親子関係が創設されること、縁組は家庭裁判所の審判によること、実親との親子関係が消滅することなどが定められている。
以下、重要条文をみていこう。
(特別養子縁組の成立)
第817条の2 家庭裁判所は、次条から第817条の7までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。
2 前項に規定する請求をするには、第794条又は第798条の許可を得ることを要しない。
【参照条文】
(後見人が被後見人を養子とする縁組)
第794条 後見人が被後見人(未成年被後見人及び成年被後見人をいう。以下同じ。)を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。後見人の任務が終了した後、まだその管理の計算が終わらない間も、同様とする。
(未成年者を養子とする縁組)
第798条 未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、この限りでない。
【解説】
特別養子縁組の定義と、特別養子縁組が家庭裁判所の審判によって成立することを定めている。
家庭裁判所は、一定の要件が満たされているかを検討して審判する。
【問題】
特別養子縁組は、養親と養子(養子が15歳未満の場合は、法定代理人)の合意、または家庭裁判所の審判によって成立する。
解答欄
O
X
(養親の夫婦共同縁組)
第817条の3 養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。
2 夫婦の一方は、他の一方が養親とならないときは、養親となることができない。ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は、この限りでない。
【解説】
特別養子縁組において、養親は婚姻していなければならない。単身者は養親となることができない。
【問題】
特別養子縁組において、養親となることができる者は配偶者のある者に限られ、一定の場合を除き、夫婦が共に養親とならなければならない。
解答欄
O
X
(養親となる者の年齢)
第817条の4 25歳に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が25歳に達していない場合においても、その者が20歳に達しているときは、この限りでない。
【解説】
特別養子の場合、養親は原則として25歳以上でなければならない。ただし、夫婦の一方が25歳以上であれば、他方は20歳以上であればよい。
【問題】
A男(31歳)とB女(24歳)の夫婦は、特別養子の養親となることができる。
解答欄
O
X
(養子となる者の年齢)
第817条の5 第817条の2に規定する請求の時に6歳に達している者は、養子となることができない。ただし、その者が8歳未満であって6歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合は、この限りでない。
【解説】
特別養子になることができるのは、原則として、5歳までである。6歳になったら原則としてだめ。特別養子というのは、実親子と同様の親子関係を作るものであり、そのためには子供が小さいうちの方がよいから。ただし、6歳になる前から養親となる者に監護されている場合には、7歳までなら特別養子となることができる。
【問題】
6歳になる前から養親となる者に監護されている場合、8歳までなら特別養子となることができる。
解答欄
O
X
(子の利益のための特別の必要性)
第817条の7 特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。
【解説】
特別養子というのは、実親子と同様の親子関係を作るものであり、つまり強力な関係が築かれるものである。そこで、本条のような必要性が要求されるわけだ。要保護性という。
【問題】
特別養子縁組成立のためには、養子が要保護児童であることが必要である。つまり、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、成立する。
解答欄
O
X
(実方との親族関係の終了)
第817条の9 養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。ただし、第817条の3第2項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。
【解説】
特別養子縁組の肝の規定。養子と実方の父母及びその血族との親族関係が終了することを定めている。
【問題】
養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了するのが原則である。
解答欄
O
X
第8日へ