2007GW企画〜10日+5日間征服−民法・親族相続

 GWは遊びたいがな〜というのが人情というものである。が、受かりたいなら、こんなまとまった期間はもったいないで。しかし、いつもと同じことをやるのもね。
 ということで、この10日(7日までかかってしまうが)親族・相続の重要条文をマスターしようっていう企画を立てました。重要条文をピックアップし、それに解説をつけ、問題を解くという勉強をします。
 たいした分量ではないので、まあ、がんばってやっていこう。
 今年受かれば来年は気兼ねなく遊べるからさ。
 
5月7日(月) 第5編 相続 第2章 相続人
 第2章 相続人
【解説】
・相続能力
 死亡した者(被相続人)の財産上の権利義務を承継する者を相続人というが、相続人となり得る一般的資格を相続能力という。権利能力とほぼ同じ意味で、自然人はすべて相続能力をもつが、法人は相続能力をもたない。ただし、具体的な相続ということになると、順位があったり、先順位の者だけが相続することになる。つまり自然人は誰でも相続する資格を一般的に有するが、実際に誰かが亡くなって相続するという場面では、順位が先の人が相続するというわけだ。
 
・同時存在の原則
 相続人は、相続開始時に、つまり被相続人が死亡した時には権利能力者として生存していなけれならん。これを同時存在の原則という。
 ところで、2人の者がいて、その2人は一方が死亡すると他方が相続するという関係にあったとしよう。たとえば波平さんとカツオだ。で、波平さんとカツオが、マスオさんが最近買ったスポーツカーに一緒に乗っていたところ、マスオさんが運転を誤って事故を起こし、波平さんとカツオが同時に死んでしまったとしよう。この場合、カツオは波平さんを相続しない。というのは、波平さんの死亡時、つまり相続の開始時にカツオは死んでいるからで、要するに同時存在の原則を満たしていないというわけだ。
 
(相続に関する胎児の権利能力)
第886条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。
 
【解説】
 相続人は相続開始時に「権利能力者」として生存していなければならない(同時存在の原則)。ところで、私権の享有は出生に始まるのであって、権利能力は出生してはじめて取得する(3条1項)。したがって、胎児は権利能力を有しない。ということはだ、相続人は相続開始時(被相続人の死亡時)に権利能力者として生存していなければならんわけであるから、胎児は相続能力を有しないということになる。
 しかし、生まれたのが被相続人の死亡よりも早いか遅いかといった、いってみれば偶然の事情で相続権が左右されるの公平ではないといえるし、相続は基本的に血族がするものであり、やはり子が相続すべきだということで、胎児についても、すでに生まれたものとみなすといった形で、例外的に、相続権を認めている。
 もっとも、残念ながら、胎児が死産だったという場合は、1項は適用されない。
 
 ところで、本条の規定によれば、出生前にすでに生まれたものとみなされるわけだが、生まれる前の状態を法的にどのように扱うかが争われている。考え方は2つある。
 1つは、胎児にはやはり相続能力はなく、生きて生まれたら、相続開始の時に遡って相続能力を認める考え方(停止条件説)。もう1つは、胎児に相続能力を認めるが、もし死産なら遡って相続能力がなかったものとする考え方(解除条件説)。
 この2つの考え方の違いは、胎児である間に、たとえば父が死亡した場合に、母親を代理人として遺産の管理・分割を認めるか否かにある。解除条件説は、これを認める。というか認めるために主張されている考え方である。現代の医学では、生きて生まれる場合が多いから、生きて生まれることを前提に相続の関係を考えようとしているといえる。生きて生まれてこないことがままあると捉えるなら、停止条件説に近づくといえよう。
 判例は、停止条件説をとっている。有名な我妻先生は解除条件説を主張する代表的な学者である。
 ちなみに、これは資格番長の捉え方なんだが、判例が停止条件説をとるのは、基本にこだわるからではないと思う。というのは、胎児は基本的には権利能力(相続能力)はないわけで、胎児の保護のため、すでに生まれたものとみなしているにすぎず、現に胎児である間に権利能力(相続能力)を付与したわけではないんだと考えているんではないかと思う。そう考えれば停止条件説になるよな。
 
【問題】
 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなされるが、この意味について、判例は、解除条件説(胎児に相続能力を認めるが、もし死産なら遡って相続能力がなかったものとする考え方)をとっている。
 
解答欄
O X
(子及びその代襲者等の相続権)
第887条 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
 
(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
第889条 次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹
2 第887条第2項の規定は、前項第2号の場合について準用する。
 
(配偶者の相続権)
第890条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第887条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。
 
【解説】
 上記の3つの条文で相続人の範囲・順位を定めています(またいわゆる代襲相続も定めています)。
 相続人の範囲について、民法は法定相続制をとっており、相続人の範囲は一律に決まっている。被相続人が遺言で相続人を指定することはできん。で、民法は誰を相続人としているかというと、上記の3つの条文が定めているわけで、第1順位は子、第2順位は直系尊属(父母、祖父母)、第3順位は兄弟姉妹(けいていしまい)である。配偶者は別格で、常に相続人となる。第1順位〜第3順位がいなければ単独で相続人となる。
 たとえばカツオが憧れのカオリちゃんと結婚したもののあえなく死んでしまったとしよう。
 この場合、死亡時にカツオ・カオリ夫婦に子供がいれば、その子とカオリちゃんが相続する。子がいない場合は、波平さんとフネさんとカオリちゃん、波平さんとフネさんがも死んでしまっていて(さらに波平さんとフネさんの父母もいなければ)、今度はサザエさんとワカメちゃんとカオリちゃんが相続する。
 なお、子が複数いる場合は同順位で相続する。
 
 さらに相続人自身も死んでしまったりしていて相続できなくても、相続人に子供がいればその子が代わって相続することになる。これを代襲相続という。カツオ・カオリ夫婦に子供が生まれたが、早くに死んでしまっていた場合、もしその死んでしまった子に子供(カツオからみれば孫)がいれば、その子供(孫)が代襲相続するわけだ。サザエさんが死んでしまっていたら、タラちゃんが代襲相続する。ワカメちゃん、カオリちゃんと一緒にな。
 なお、代襲相続は、被相続人の直系尊属の場合は無限に代襲相続されていく。これを再代襲という。子供が死んでしまっていたら、孫、孫が死んでいたら、ひ孫、ひ孫が死んでいたら、玄孫(やしゃご)(事実上限界はある…)。ただし兄弟姉妹の代襲相続の場合は、兄弟姉妹の子止まり。たとえばタラちゃんが死んでしまい、タラちゃんに子供がいても代襲相続はできない。
 
 それから代襲相続されるのは、相続人の子または兄弟姉妹が死亡した場合のほか、相続欠格と相続人の廃除の3つの原因がある場合に限られる。これはよく聞かれるんだが、相続人が相続を放棄した場合は、代襲相続はない。よく覚えておいてくれな。
 
【問題】
 配偶者は常に第1順位の相続人となる。
 
解答欄
O X
 
【問題】
 代襲相続において、代襲者となるのは子の子あるいは兄弟姉妹の子であり、代襲者が代襲相続権を失った場合は、さらにそれらの子が代襲者となる。
 
解答欄
O X
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