2007GW企画〜10日+5日間征服−民法・親族相続

 GWは遊びたいがな〜というのが人情というものである。が、受かりたいなら、こんなまとまった期間はもったいないで。しかし、いつもと同じことをやるのもね。
 ということで、この10日(7日までかかってしまうが)親族・相続の重要条文をマスターしようっていう企画を立てました。重要条文をピックアップし、それに解説をつけ、問題を解くという勉強をします。
 たいした分量ではないので、まあ、がんばってやっていこう。
 今年受かれば来年は気兼ねなく遊べるからさ。
 
5月9日(水) 第5編 相続
  第2節 相続分
【解説】
 相続人が1人なら相続財産全部独り占めになるからいいが、2人以上いる場合は、分割しなければならん。それを遺産分割という。ただ、分割する前にどういう割合で分割するかが決まってなければならん。それが相続分だ。
 さて相続分がどうやって決まるかというと、まずは遺言。被相続人が遺言で指定する。これを指定相続分という。で、遺言による指定がなければ、民法が定めている法定相続分による。
 
(法定相続分)
第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。
 
【解説】
 相続分の指定がない場合には法定相続分によることになる。日本では遺言をすることがあまりないので、法定相続分によるのが通常になっているな。
 さて、相続分はどうなっているかというと、その前に確認しておかなければならんのが、被相続人に配偶者がいるかどうか。配偶者は常に相続人となり、しかも配偶者以外の相続人がいる場合は、その相続人と同順位になる(890条)。つまり被相続人に子がいるなら、配偶者も第1順位の相続人になる。被相続人に子も直系尊属もいなければ、第3順位の兄弟姉妹が相続人となるが、配偶者も第3順位の相続人となる。
 で、相続分だが、900条をみればわかるが、誰が相続人になるかで、相続分が異なる。配偶者と子が相続人なら半分ずつ。配偶者と父母なら2対1の割合。配偶者と兄弟姉妹なら3対1の割合となる。で、子が複数いる場合には、子の相続分(=50%)を頭割りする。たとえば、波平さんが亡くなった場合で、相続財産が1000万円だとすると、フネさん500万円、サザエ・カツオ・ワカメが500万円を3等分するということになる。これは直系尊属や兄弟姉妹が複数いる場合も同じ。仮にサザエが死んだときに、タラちゃん(第1順位)もいない、波平さんやフネさん(第2順位)もいないという状況だったら、相続財産が1000万円の場合、マスオさんが750万円、カツオとワカメが250万円を2等分する(つまり125万円ずつ)。
 
 以上がおおまかなところだが、子の中に非嫡出子がいる場合は、相続分は嫡出子の半分になってしまう。つまり波平が死んで、フネさんとサザエ・カツオ・ワカメが相続人であるとする。そして、このうち、実はワカメちゃんは波平さんがフネさん以外の女性との間に作った子供で、認知はしたという場合、ワカメちゃんの相続分は、サザエ・カツオの半分になる。つまり、1000万円の相続財産があったとした場合、フネさんが500万円を相続し、サザエ・カツオ・ワカメが500万円を相続するが、3人の子の中での配分は、2対2対1になる。つまりサザエとカツオは200万円ずつで、ワカメちゃんは100万円ということになる。
 また同様に第3順位の兄弟姉妹の中にいわゆる半血の兄弟姉妹がいる場合、つまり父母のどちらかだけが同じという場合、その半血の兄弟姉妹の相続分は、全血の兄弟姉妹の半分である。
 
【問題】
 甲には、配偶者乙、子A・Bの他に、父母、兄X、妹Yがいた。そして、甲は1000万円の財産を残して死亡した。この場合において、甲の財産を相続するのは、乙、A、Bであり、具体的な相続分は乙500万円、AがBそれぞれ250万円である。
 
解答欄
O X
 
【問題】
 甲には、配偶者乙、兄X、妹Yがいた(子と直系尊属はいなかった)。ただし、Yは半血だった。そして、甲は1200万円の財産を残して死亡した。甲の財産を相続するのは、乙、、X、Yであり、具体的な相続分は乙900万円、XYがそれぞれ150万円である。
 
解答欄
O X
(代襲相続人の相続分)
第901条 第887条第2項又は第3項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2 前項の規定は、第889条第2項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。
 
【解説】
 子や兄弟姉妹が相続開始前に死亡等により相続権を失っていた場合、子の直系卑属、兄弟姉妹の子は、代襲相続する(887条)。で、代襲相続の場合は、相続分が減らされたり増えたりするのかというと、そんなことはない。被代襲者が相続するべきであった分を相続できる。ただし、代襲相続する者が複数いる場合は、均等に相続する。
 たとえば、波平さんのお父さんがいたとして、そのお父さんが死亡する前に波平さんが死亡していた場合、波平さんのお父さんが死亡するとサザエ、カツオ、ワカメが代襲相続する。波平さん分の相続分が1200万円なら、それぞれ400万円ずつである。
 
【問題】
 Aには、配偶者Bいるが、子はなく、父母はすでに死亡していたが、兄X、姉Y、妹Zがいる。ただし、兄X(子甲、乙がいる)もすでに死亡している。この場合において、Aが1200万円の財産を残して死亡したとき、当該財産は、B900万円、甲50万円、乙50万円、Y100万円、Z100万円の割合で相続する。
 
解答欄
O X
(遺言による相続分の指定)
第902条 被相続人は、前2条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。
2 被相続人が、共同相続人中の1人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前2条の規定により定める。
 
【解説】
 指定相続分について定める規定。被相続人は、遺言で相続分を指定したり、また遺言で相続分の指定を第三者に委託することができる。共同相続人の全員について定めてもいいし、共同相続人の一部の者についてだけ定めてもいい。一部の者だけについて定めた場合、残りの者の相続分は法定相続分によることになる。
 なお、被相続人の指定であっても、遺留分に関する規定に違反することができない。もっとも遺留分に関する規定に違反するとしても、当然に無効となるのではなく、被侵害者が減殺を請求できるにとどまるとするのが通説の考え方である。
 
【問題】
 遺言は、人の生前における最終の意思であり、法律上も尊重すべきであるから、遺言で相続分を指定した場合、それが遺留分に関する規定に違反するとしても、指定全部が無効になったり、被侵害者に減殺請求が認められることはない。
 
解答欄
O X
  第3節 遺産の分割
【解説】
 相続財産は、相続の開始と同時に共同相続人の共同所有となるが、相続人は原則としていつでも遺産の分割を請求することができる。ただし、被相続人が遺言で遺産分割の禁止を定めたときは、遺産分割はできない(908条。ただし、相続開始から5年間まで)。その他家庭裁判所が遺産分割禁止を命じた場合(907条)、また共同相続人全員の協議により5年を超えない期間に限って分割禁止の特約をした場合も同様である。
 
(遺産の分割の基準)
第906条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。
 
【解説】
 遺産分割の基準を定める規定。要するに遺産分割にあたっては相続人間の公平が求められる。各相続人にふさわしい財産が分配されるようにせよ、ということだ。
 
【問題】
 遺産は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して分割されなければならない。
 
解答欄
O X
(遺産の分割の効力)
第909条 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
 
【解説】
 遺産分割の効力だが、遺産分割の時に生ずるのではない。相続の時に遡及するわけだ。つまり分割された財産は、各相続人が相続開始の時に承継したと扱われるということ。これは物権のところでも重要になってくる規定なので(遺産分割と登記のところだ)、よく覚えておくこと。
 但書の部分は、相続は開始したが、まだ遺産分割がすんでいないときに、遺産中の特定不動産の自己の持分を第三者に譲渡した場合に、その第三者を保護するための規定。たとえば、相続人ABCがいたとして、Aが遺産に含まれる土地についての自分の持分をXに譲渡してしまったが、遺産分割によって、当該土地はBが承継することになったという場合、Aは当該土地に何ら権利を持っていなかったということになる。するとXも土地の所有権を取得できないわけで、Xとしては想定外の不利益を受けることになる。それを避けるための規定が本条の但書。
 
【問題】
 相続開始と同時に、相続財産は共同相続人の共同所有になるのであて、遺産分割の効力が生じるのは、遺産分割の時である。
 
解答欄
O X
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