2007GW企画〜10日+5日間征服−民法・親族相続

 GWは遊びたいがな〜というのが人情というものである。が、受かりたいなら、こんなまとまった期間はもったいないで。しかし、いつもと同じことをやるのもね。
 ということで、この10日(7日までかかってしまうが)親族・相続の重要条文をマスターしようっていう企画を立てました。重要条文をピックアップし、それに解説をつけ、問題を解くという勉強をします。
 たいした分量ではないので、まあ、がんばってやっていこう。
 今年受かれば来年は気兼ねなく遊べるからさ。
 
5月11日(金) 第5編 相続
 第7章 遺言
【解説】
 遺言は、「人の生前における最終の意思に法律的効果を認め、死後にその実現を図る制度である」(司法協会・親族法相続法講義案p314
)。その性質としては、表意者の死亡によって、一定の法律的効果を生じさせることを目的とする単独行為である。
 その特徴は次のとおり。
@単独行為であること(=相手方がないこと)
A遺言能力さえあれば制限行為能力者であっても単独ですることができること
B要式行為であること(=必ず法定の方式をふまなくてはならない)
C対象が法定事項に限られること(=遺言事項)
D死亡によって効力を生ずること
E生前ならいつでも撤回できること
 

  第1節 総則
(遺言の方式)
第960条 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。
 
【解説】
 遺言は要式行為である。民法に定める方式に従わなければ効力を生じない。
 人の生前における最終意思を尊重しようっていうなら、どんな方式だっていいじゃないかという考え方もあろうが、遺言というのは死亡後に効力を生ずるものであって、遺言に不明な点があっても、これってどういう意味と聞けないし、はたまた遺言書は偽造されたり変造されたりする危険もある。そこで、死亡後に真意を確かめなくてもいいようにし、また偽造・変造を防ぐためにわりとがちがちに方式を決めてそのとおりにやらないと遺言として効力を認めないということにしているわけだ。相続にからむ話だから、後でもめるしね。
 
 ただし、法定の方式と少しばかり違うだけでアウトにしてしまうと、遺言制度を設けた意味がなくなるし、遺言をしようなんて人はいなくなる。そこで、判例や学説は、遺言の方式が問題になったときは、方式に関する規定を緩和して解釈しようとしてきている。遺言者の真意を生かすようにしているわけだ。限度はあるがな。
 
【問題】
 遺言をするには民法に定められている方式に従う必要がある。
 
解答欄
O X
(遺言能力)
第961条 15歳に達した者は、遺言をすることができる。
 
第962条 第5条(未成年者の法律行為)、第9条(成年被後見人の法律行為)、第13条(保佐人の同意を要する行為等)及び第17条(補助人の同意を要する旨の審判等)の規定は、遺言については、適用しない。
 
【解説】
 制限行為能力者でも遺言能力があれば、遺言をすることができる。つまり法定代理人の同意なしに単独で遺言をすることができる。
 制限行為能力者の制度は行為者を保護することを目的とするが、遺言が効力を生ずるのは遺言者の死後であるから、行為者保護は必要ない。それにそもそも遺言というのは、生前の最終意思を尊重しようというものであるから、できるだけ遺言をできるようにするべきともいえる。
 そこで、遺言にするについて、民法は、行為能力の制限に関する規定を適用しないとした上で、15歳になれば単独で遺言をすることができるとした。
 なお、遺言は意思表示の一種である。したがって、意思能力がないとか錯誤がある場合は遺言は無効となる。また詐欺・強迫による場合は遺言を取り消すことができる。
 
【問題】
 15歳に達した者は遺言をすることができるが、まだ未成年者であるから法定代理人の同意が必要である。
 
解答欄
O X
(包括遺贈及び特定遺贈)
第964条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。
 
【解説】
 遺言によって財産的利益を無償で他人に与えることを遺贈という。遺贈を受ける者を受遺者という。
 遺言によって効力を生ずるのであるから、遺言者が死亡すれば、受遺者の承諾するかどうかに関わらない。ただし、受遺者は遺贈を放棄することができる(986条)。
 
 ところで遺贈には包括遺贈と特定遺贈がある。
 包括遺贈とは、積極・消極財産を含む遺産の全部またはその分数的部分を承継することである。目的物を特定せずに包括的に承継する。
 これに対し、特定遺贈とは、具体的に特定された財産的利益を承継することである。
 
 遺贈の対象は、原則として無制限であるが、遺留分に関する規定に違反することはできない。遺留分は、被相続人でさえ奪うことはできないものだからである。ただし、仮に遺留分に関する規定に違反しても、その遺贈は当然に無効になるわけではない。遺留分権者の減殺請求を受けるだけである。
 
【問題】
 遺言は遺言者の最終意思を尊重するものであるから、遺留分に関する規定に対する違反の有無を問わず、遺言者の財産を包括的に遺贈することができる。
 
解答欄
O X
(相続人に関する規定の準用)
第965条 第886条(相続に関する胎児の権利能力)及び第891条(相続人の欠格事由)の規定は、受遺者について準用する。
 
(相続に関する胎児の権利能力)
第886条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。
 
(相続人の欠格事由)
第891条 次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
 

【解説】
 遺贈については、相続に関する規定が準用されている。
 たとえば、胎児は、遺贈に関しても生まれたものとみなされる。したがって、胎児に対して遺贈をすることもできる。また受遺者にも相続人と同様の欠格事由が定められている。したがって受遺者に欠格事由がある場合には、受遺欠格者となるため遺贈を受けることができない。
 
【問題】
 AはBの妹の子(Bの甥)であったが、Bが遺言をするにあたって、強迫して、自らに対し、B所有の土地及び家屋を遺贈する旨の遺言をさせた。しかし、Bの死亡後、その事実が発覚した。この場合、Aは当該土地及び家屋を取得することはできない。
 
解答欄
O X
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