バックナンバー(特別編〜会社法演習)

株式
  第12問 株式の意義1
  第13問 株式の意義2
  第14問 株主の義務
  第15問 株主の権利1
  第16問 株主の権利2
  第17問 株主の権利3
  第18問 株主平等原則1
  第19問 株主平等原則2
  第20問 株主の権利の行使に関する利益の供与の禁止
  第21問 株式の内容と種類1
  第22問 株式の内容と種類2
  第23問 株式の内容と種類3
  第24問 株式の内容と種類4
  第25問 株式の内容と種類5
  第26問 株式の内容と種類6
  第27問 株式の内容と種類7
  第28問 株式の内容と種類8
  第29問 株券1
  第30問 株券2
  第31問 株券3
  第32問 株券4
  第33問 株式の流通1
  第34問 株式の流通2
  第35問 株式の流通3
  第36問 株式の流通4
  第37問 株式の流通5
  第38問 株式の流通6
  第39問 株式の流通7
  第40問 株式の流通8
  第41問 株式の流通9
  第42問 株式の流通10
  第43問 株式の流通11
  第44問 株式の流通12
  第45問 株式の流通13
  第46問 株式の流通14
  第47問 株式の流通15
  第48問 株式の流通16
  第49問 会社に対する権利行使1
  第50問 会社に対する権利行使2
  第51問 会社に対する権利行使3
  第52問 振替決済制度
  第53問 株式の消却
  第54問 株式の併合
  第55問 株式の分割1
  第56問 株式の分割2
  第57問 株式の無償割当て1
  第58問 株式の無償割当て2
  第59問 単元株制度1
  第60問 単元株制度2
  第61問 単元株制度3
  第62問 単元株制度4
  第63問 単元株制度5

 
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会社法第12問 株式の意義1
 株式とは、細分化された均等な割合的単位の形をとる株式会社の社員たる地位(弥永・リーガルマインド会社法p33)のことをいいます(一般にいう「社員」は会社の従業員です)。
 
 社員の地位というのは、いわば会社に対する持分のことですが、なぜそれを細分化し、かつ割合的にするかというと、それは個性のない多数の者が株式会社に参加できるようにするためです。
 
 というのは、事業を行うためには資金が必要になりますが、株式会社はその中でも、基本的に大規模な事業を行うための共同企業形態(利益も大きくなる代わりに、リスクも大きくなる。)であるわけですから、多額の資金が必要となります。しかし、それを少数の出資者だけでまかなうのは大変です。もし少数の出資者だけでまかなうとすると、1人あたりの出資額が大きくなってしまいますし、しかもリスクの大きさを考えるとなかなか出資しようという者がみつからないというおそれがあります。ならば少しの資金しか持っていない者からも集めることができるようにと考え出されたのが株式です。少しの資金しか持っていない者でも、多数集まれば大きな資金になります。また割合的単位とすることにより、出資するのは誰でもよいということを可能にしました。
 
 株式を有する者を株主といいますが、株式を細分化された均等な割合的単位とすることにより、「株主の会社に対する法律関係を明確にし、株主の権利行使や会社から株主に対する各種の通知や配当の支払等を容易にするためと、株主が投下資本回収のために株式を譲渡することを容易にするためである。それでこそ多数の者が安心して株式会社に株主として出資することができ、株式会社制度が成り立つ」(神田・会社法第9版p59)というわけです。
 
そこで、問題。
 
 株式が細分化された均等な割合的単位とされたのは、株主の会社に対する法律関係を明確にし、株主の権利行使や会社から株主に対する各種の通知や配当の支払等を容易にするためと、株主が投下資本回収のために株式を譲渡することを容易にするためである(新作)。
 
解答欄
O X

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会社法第13問 株式の意義2
 株式は均一性を有します。つまりすべて株式の内容は均一なものとされ、株式を1株未満に細分化することはできないものの、1人で複数の株式を有することができます(持分複数主義)。
 
 これに対し、持分会社(合名会社、合資会社、同号会社)においては、各社員はいくら出資しようと持分は1つだけ有します(持分単一主義)。したがって、各自の持分の大きさはまちまちです(持分不均一主義)。ただ、こういうことは持分会社が比較的小さい会社であって、社員の数が少ないから何とかなりますが、社員が多いはずの株式会社では、いろいろと面倒なことが起こります。そこで株式会社の社員たる地位である株式の内容は均一なものとしました。
 
そこで、問題。
 
 株式については持分均一主義がとられているから、1人で数株を保有することはできない(新作)。
 
解答欄
O X

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会社法第14問 株主の義務
 株式会社の特質は、株式と間接有限責任にあります。
 
 株式は、社員の地位が細分化された割合的単位の形をとるということですが、間接有限責任とは、「株式会社の社員である株主は、会社に対してその有する株式の引受価額を限度とする有限の出資義務を負うだけで、会社債権者に対しなんらの責任も負わない」(弥永・リーガルマインド会社法p19)ということです。これを株主有限責任の原則といいます。
 
 株式会社は大規模な事業を行うための共同事業形態ですから、利益が大きくなる反面、リスクも大きなものとなります。たとえば、会社が事業に失敗して会社が莫大な借金を負った場合、会社の所有者である株主が借金を支払わなければならないとすると、なかなか出資しにくいということになりかねません。そこで、株式を引き受けたその価額だけ一度出資すれば、後は会社がどうなろうと(どんなに借金を負うことになろうと)、もう出資しなくてもよいということにしたのです(会社がつぶれてしまえば、何も返ってこないということにはなりますが…)。そうすることにより、出資しやすくして、多くの者に出資してもらうことができるというわけです。  その表れが、会社法104条です。つまり、「株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする」と規定されています。
 
 そこで、問題。
 
 株式会社の出資者は、その出資額を超えて会社の債務について会社債権者に対して責任を負わない。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第15問 株主の権利1
 株主は会社に対して、様々な権利を有します。
 
 大きく分けると、自益権と共益権があります(会社法でこのように分類されているわけではありませんが、講学上このように分類されています)。  このうち、自益権とは、「会社から直接経済的な利益を受けることを目的とする権利」(神田会社法p62)です。中心となるのは、利益の分配を受ける権利です。具体的には、会社が解散した場合には残余財産分配請求権であり、会社存続中は剰余金配当請求権です。これらがあるがために株主になるのですから、「株主に前項第1号(剰余金の配当を受ける権利)及び第2号(残余財産の分配を受ける権利)に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない」とされています(105条2項)。
 
 そこで、問題。
 
 株主に剰余金の配当を受ける権利と残余財産の分配を受ける権利の双方を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。(公認会計士試験H18問題5)
 
解答欄
O X

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会社法第16問 株主の権利2
 株主の権利には、自益権と共益権とがあるわけですが、このうち共益権とは、「会社の経営に参与することを目的とする権利」(神田会社法p62)です。株主総会における議決権の他、会社の運営を監督是正する権利が含まれます(たとえば、株主総会の決議取消しの訴えをする権利)。
 
 ところで、共益権は会社の経営に参与することを目的とする権利ですが、その中に議決権だけでなく、なぜ監督是正権が含まれるのかを明らかにしておきましょう。
 
 この点について、学説は、株主の利益を守るため認められていると説明しています。
 
 すなわち、株式会社は大規模な団体ですから、何かを決めるにあたって、基本的な事項は株主総会の多数決で決定され、経営は取締役が行うわけですが、それらは必ずしも適法あるいは妥当であるとは限りません。取締役会や監査役などによる監督・監査という制度もありますが、それだけでは十分とはいえないとされています。そこで、株主の利益を守るため、株主にも監督是正権が認められることになったというわけです。
 
さて、問題です。
 
 会社の経営について、株主は共益権として、株主総会において議決権を有するだけでなく、監督是正権を有する。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第17問 株主の権利3
 株主の権利については、自益権・共益権という分類の他にも、単独株主権・少数株主権という分類もなされます。前者が権利の内容による分類であるのに対し、後者は権利を行使するための要件による分類といえます。
 
 すなわち、単独株主権とは、株式を1株でももっていれば行使できる権利であり、少数株主権とは議決権あるいは株式を一定数・一定割合以上をもっていなければ行使できない権利です(正確にいえば、発行済株式総数の一定割合以上または総株主の議決権の一定割合以上・一定数以上を有する株主(神田・会社法p63)でなければ行使できない権利)。どの程度の割合かは行使する権利によって異なります。
 
 自益権はすべて単独株主権です。つまり1株でも株式をもっていれば、剰余金の配当を請求でき、また残余財産の分配を請求することができます。  共益権のうち、株主総会における議決権(105条1項3号)は単独株主権であり、1株でも株式をもっていれば行使することができます。 これに対し、共益権のうち、監督是正権には単独株主権と少数株主権とがあります。たとえば、取締役の解任請求するためには、その6ヶ月前から、発行済株式総数の3%以上(または総株主の議決権の3%以上)を有していなければなりません(854条、479条)。
 
さて、問題です。
 
 株主の権利のうち、剰余金配当請求権は自益権であるから、1株でも株式を有していれば行使することができるが、株主総会における議決権は共益権であるから、議決権行使の6ヶ月前から、発行済株式総数の3%以上(または総株主の議決権の3%以上)を有していなければ行使できない。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第18問 株主平等原則1
 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければなりません(109条1項)。これを株主平等原則といいます。
 
 では、なぜ、株主平等原則なのかというと、正義衡平の理念は、人の集まりである団体においても守られるべき理念であるとされ、したがって団体の構成員は団体から平等に扱われるべきである、そして、株式会社の場合は、もっている株式の数に応じて平等に扱われるのだということです。
 
 なお、株主平等原則を、技術的な要請から認められるべきものと主張する考え方もあります。すなわち「株主平等取扱いという原則がないと、株主と会社との法律関係や株式の譲渡等を合理的に処理できなくなり、ひいては誰も安心して株式会社に株主として出資できなくなって株式会社制度が成り立たなくなるというのが、このような株主平等の原則を認めるべき理由であると考えられる」(神田・会社法p65)というものです。
 
 株主平等原則に反するのではないか問題となってきたものにいわゆる株主優待制度があります。たとえば航空会社が無料航空券を株主に交付したり、映画会社が無料入場券を交付したりするものです。
 この点については、株主優待制度は、株主の権利の内容には含まれないため株主平等の原則とは本来は無関係であるものの、株主であるがために優待されるのであるから、ある程度は適用されると解されています。  すなわち、持株数に応じて厳密に優待の程度を定めることは要しないものの、持株の少ない株主を、持株の多い株主よりも優待してはならないし、また持株数がまったく同じなら、同じように優待しなければなりません。
 
さて問題。
 
 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて平等に取り扱わなければならないが、株主優待制度は本来そのような株主平等原則とは関係がないものであり、株式をそれぞれ100株ずつ有するAとBについて優待に差を設けても、株主平等原則の観点からは問題はない。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第19問 株主平等原則2
 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければなりませんが(109条1項)、この株主平等原則については例外が認められています。
 
 株主平等原則の例外のうち、重要なものは、公開会社でない株式会社は、剰余金の配当を受ける権利、残余財産の分配を受ける権利、株主総会における議決権に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができるというものです(109条2項)。
 
 公開会社とは、「その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社」のことです(2条5号)。つまり定款にすべての種類の株式について譲渡を制限する旨の定めがない株式会社のことです。
 
 ちなみに公開会社は、一般には上場会社、つまりその株式が証券取引所で売買されている会社の意味で使われていますが、会社法ではそうではありませんから注意が必要です。
 なお、譲渡制限については、全部の種類の株式について譲渡制限がない株式会社は公開会社ですが、一部の種類の株式についてだけなら譲渡制限があっても公開会社となるとされていますから注意が必要です。
 
 このような公開会社ではない株式会社、つまり定款にすべての株式の譲渡を制限する定めを設けている株式会社においては、剰余金配当請求権、残余財産分配請求権、株主総会における議決権について株主ごとに取扱いを変えてもいいというわけです。
 
 公開会社でない株式会社においては、公開会社ではないが故に、つまり株主が自由に入れ替わることがないために、一律に規制を加える必要性は、公開会社に比べれば高くありません。そのため企業の実態・環境に応じて定款自治が広く認められています。上記の例外もその一環です。
 
で、問題。簡単すぎて恐縮ですが…。
 
【問題】
 公開会社でない株式会社においては、株主総会における議決権について、株主ごとに異なる取扱いをすることを定款で定めることができる。(新作)

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会社法第20問 株主の権利の行使に関する利益の供与の禁止
 株式会社は、何人に対しても、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしてはならないとされています(120条1項)。  会社財産の浪費を防止するためですが、同時にいわゆる総会屋対策としての面も有し、会社経営の健全化にも資するといわれています。

 
 会社財産の浪費防止という観点から、利益の供与を受けた者は、これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければなりません(120条3項)。また当該利益の供与をすることに関与した取締役等は、当該株式会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負います(120条4項)。
 
 ところで、利益が株主の権利の行使に関し供与されたことの証明は、実際上は困難な場合が多いとされています。そのため、会社法は、株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該株式会社は、株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定することとしました(120条2項)。株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合においても、当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないとき(要は、ほとんど無償といえるとき)も同様です。
 
そこで、問題。
 
【問題】
 株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益を供与したときは,当該株式会社は,株主の権利の行使に関し財産上の利益の供与をしたものとみなされる。(新司法試験H18第40問)
 
解答欄
O X

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会社法第21問 株式の内容と種類1
 各株式の権利の内容は、原則として同一です。しかし、「資金到達の多様化と支配関係の多様化の機会を株式会社に与えるため」(神田・会社法p67)つまり株式を発行するということは会社が資金を調達するということであり、また会社に対する支配関係を有する者が増えるということですが、それらについて、いろいろなやり方を認めたわけです。そして、そのために2つの例外が認められています。
 @発行する全部の株式の内容について特別の定めをすること(107条)
 A内容の異なる2以上の種類の株式(種類株式)を発行すること(108条)

 
@としては3種類、Aとしては9種類あります。
 
 なお、「107条は、株式会社の発行する「株式の全部」について一定の内容を定める場合の規定であり、108条は、一定の事項について内容の異なる2以上の種類の株式について定める場合の規定」(新・会社法 千問の道標p53)です。同じ内容を定めるとしても適用される条文が異なります。  たとえば、株式を譲渡するには、会社の承認を要することを定めることができますが、それを全部の株式の内容とする場合には107条1項1号、一部の株式の内容とする場合には108条1項4号の規定が適用されることになります。
 
 さて、発行する全部の株式の内容について特別の定めをし、または、内容の異なる2つ以上の種類の株式を発行するには、一定の事項を定款で定めなければなりません(107条2項、108条2項)。さらに一定事項を株主名簿・株券などに記載し、かつ登記する必要があります(121条,216条,911条)。
 
そこで、問題
 
【問題】
 定款に定めがなくても、種類株式を発行できる場合がある。(公認会計士試験H18問題5)
 
解答欄
O X

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会社法第22問 株式の内容と種類2―譲渡制限株式
 株式は自由に譲渡できるのが原則です(127条)。株式を買ったお金(投下資本)を会社に返してもらうことはできませんから、そのお金を回収(投下資本の回収)するためには、株式をいわば転売することを認める必要があります。
 株式というのは株式会社における社員の地位ですから、株式を譲渡するということは社員が交代するということですが、株式会社は、社員が経営をするのではないので、通常は誰が社員になっても構いません。だから、投下資本の回収をしたいなら、株式を譲渡してくださいというわけです。
 
 とはいえ、他方で同族会社のように株主が誰でもいいというわけではなく、勝手に株式を譲渡されて、変な奴が入ってきたら困るよという会社もあります。
 
 そのような会社のため会社法は、「譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること」(107条1条1項,108条1項4号)を定めることができることとしました。要するに株式を譲渡するには、会社の承認を得てからにしてくれといえるわけです。
 
 従来も、定款で譲渡制限することを認めていましたが、すべての株式に一律の譲渡制限でした。しかし、会社法では、一部の種類の株式についてだけ譲渡制限することが認められました(108条)。会社法では株式の譲渡制限は「株式の内容または種類の1つとして位置づけられることとなった」(神田・会社法p72)わけです。
 
 そこで、問題。
 
【問題】
 株式の譲渡は原則として自由であり、譲渡制限をするには発行する全部の株式について定款で定めることが必要である。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第23問 株式の内容と種類3―取得請求権付株式
 取得請求権付株式とは、株主が株式会社に対してその株式の取得を請求することができる株式のことをいいます(2条18号)。要は、俺の持っている株式を引き取らんかいという請求権がついた株式ということ。
 
 何でそんな株式があるかというと、会社の業績がまだまだという段階では、株主総会での議決権が制限されるものの安定して配当を受けられる株式を持っておき、会社の業績が上がって普通株式の方が配当を多く受けられるようになってから、持っている株式を会社に引き取ってもらって代わりに普通株式を交付してもらうということができれば、株主にとってはいいわけです。株を買おうかなという投資家にとって都合のいい話ですが、だからこそ、じゃその会社に投資してみようかなという気になります。そういう株式があることによって出資が多くなれば会社にとってもメリットが大きいわけです。
 
 このような取得請求権付株式を発行するには、一定の事項を定款に定めなければなりません。
 
 なお、取得請求権付株式は、発行するすべての株式をそれにしてしまってもいいですし(107条1項2号)、発行する株式の一部として、そういう株式を発行するという形でもよいということになっています(108条1項5号)。
 
で、問題。
 
【問題】  取得請求権付株式を発行するためには、会社が発行する株式すべてを取得請求権付株式にしなくてはならない。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第24問 株式の内容と種類4―取得条項付株式
 株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる株式を取得条項付株式といいます(2条19号)。
 
 取得請求権付株式は、株主の方から会社に対して株式の取得を請求することができる株式ですが、取得条項付株式は、会社が株主の同意なしに、つまりいわば強制的に取得できる株式のことです。

 
 取得条項付株式を発行するには、一定の事項を定款に定めておかなければなりません。
 
 なお、譲渡制限株式、取得請求権付株式と同様、発行するすべての株式を取得条項付株式にしてしまってもいいですし(107条1項3号)、発行する株式の一部として、取得条項付株式を発行するという形でもよいということになっています(108条1項6号)。
 
 ところで、普通株式を発行している会社が、普通株式を取得条項付株式にすることも可能です。その場合は株式の内容を変更する定款の変更が必要となり(107条2項3号、108条2項6号)、普通株式の株主全員の同意が必要となります(110条条、111条1項)。
 普通株式が取得条項付株式となるということは、株主の同意がなくても、その有する株式が一定の事由の発生により株式会社に取得されてしまうこととなるため、当該普通株式の株主の全員の同意を必要としたのです。
 
 そこで、問題。
 
【問題】
 定款を変更して、会社が発行する全部の株式を取得条項付株式とするには、株主全員の同意を得なければならない。(公認会計士試験H18問題5)
 
解答欄
O X

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会社法第25問 株式の内容と種類5―優先株式・劣後株式
 剰余金の配当・残余財産の分配についての種類株式として、優先株式・劣後株式があります。
 それぞれ、剰余金の配当や残余財産の分配について、優先的な扱い(優先株式)を受け、または劣後的な扱い(劣後株式)を受けます(108条1項1号2号)。
 
 優先株式が発行されるのは、出資を多く募るためです。業績が不振な会社でも優先株式なら株主を集めやすく、資金の調達が容易になると考えられます。これに対し、業績がよい会社は劣後株式でも資金を調達できます。新たに株式を発行すると(新株発行)、株主の数が増えることになりますから既存の株主の利益が害されるおそれがありますが、劣後株式ならその心配はありませんし、業績がよければ劣後株式でも株主は集めることができます。
 
 優先株式・劣後株式を発行するには、一定の事項を定款に定める必要があります(108条2項1号等)。
 
そこで、問題。
 
【問題】
 業績が好調な株式会社資格番長はさらなる業績の向上を目指し、大型プロジェクトを実施することになった。そのため新株を発行して新たに出資を募ることを検討している。発行する株式は優先株式とするべきである。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第26問 株式の内容と種類6―議決権制限株式
 議決権制限株式とは、株主総会で決議される事項のうちの全部または一部について、議決権を行使できない株式をいいます(108条1項3号)。
 
 株式を発行して会社に必要な資金を調達するわけですが、会社の基本的な事項は株主総会で株主が議決権を行使して決めるのですから、議決権が増えたり、誰が議決権を有するかによって、会社の基本的な事項についての決定に影響が生じ、会社の支配関係が変わってしまいます。そこで、株式を発行して資金を調達する一方で、その株式を議決権制限株式とすることにより、会社の従来の支配関係が変わらないようにすることができます。
 また株主になろうとする者の中には、株主総会での議決権の行使よりも配当の方に関心がある者がいますから、議決権制限株式でもいいわけです。また会社にとっても株主総会の招集通知などを送らなくてすみますから、費用の節約にもなります。
 
 このように会社に関わる者全員にとってよい株式のようにもみえますが、議決権制限株式があまり多くなると、議決権を有する少数の株主だけで会社が支配されるということになってしまいます。
 そこで、公開会社においては、議決権制限株式の総数は、発行済株式総数の2分の1を超えることはできないことになっています。きっかり半分、2分の1までならいいのですが、超えてしまったら、他の種類の株式を発行するなどして、議決権制限株式が2分の1以下になるよう直ちに是正しなければなりません(115条)。
 
そこで、問題。
 
【問題】
 種類株式発行会社が公開会社である場合に、議決権制限株式の数が、発行株式の総数の2分の1を超えるに至ったときは、直ちに、2分の1以下にするための必要な措置をとらなければならない。(公認会計士試験H18問題5)
 
解答欄
O X

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会社法第27問 株式の内容と種類7―全部取得条項付種類株式
 全部取得条項付種類株式とは、株主総会の特別決議によってその種類の株式を全部を取得することができる株式のことをいいます(108条1項7号)。
 
 取得条項付株式も会社が取得することができる株式ですが、取得条項付株式は一定の事由が生じれば、株主の同意なしに会社が取得することができるのに対し、全部取得条項付種類株式は株主総会の決議によって取得される株式です。
 
 ところで会社が倒産の危機に瀕している時にしばしば行われるのが、いわゆる100%減資です。これは、発行済の株式をすべて消却して、資本金をゼロにし、同時に新たに投資してくれる者に対し新株を発行するものです。株主を総入れ替えするわけですが、これによって会社の再生をはかったのです。
 発行済の株式をすべて消却するにあたって、会社が株式を取得できるようにするため認められたのが全部取得条項付種類株式です。、
 
そこで問題。
 
【問題】
 全部取得条項付種類株式は、株主総会の決議によって会社が取得できる株式であるが、株主総会の決議は特別決議でなければならない。
 
解答欄
O X

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会社法第28問 株式の内容と種類8―取締役等を選任できる種類株式
 株式会社が、各種の種類株式を発行している場合、それぞれの種類株主で構成する種類株主総会が置かれます。そして、公開会社でも委員会設置会社でもない会社に限られますが、その種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任することができる株式を発行することができます。それが種類株主総会において取締役・監査役を選任できる株式です(108条1項9号、役員選任権付株式という人もいます)。
 「ジョイント・ベンチャー企業などでなされる取締役・監査役の選任についての株主間合意の効力を商法上も認める」(神田・会社法p79)ものです。
 
そこで、問題。
 
【問題】
 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役を選任することができる種類株式は公開会社においては発行することができない。(公認会計士試験H18問題5)
 
解答欄
O X

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会社法第29問 株券1
 株券とは、難しくいえば、株式を表章する有価証券で、株式会社は、従来(平成16年改正前まで)は株券を発行する必要がありました。
 しかし、平成16年の商法改正で株券の不発行制度が設けられ、例外的に、定款で定めれば株券を発行しなくてもよいことになりました。さらに、現在の会社法は株券の不発行制度を受け継ぎ、しかも株券の不発行の方を原則とし、例外として発行できるものとしました。
 すなわち、「株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる」と規定されています(214条)。公開会社にあっては、ペーパーレス化によって決済を迅速にするため、公開会社ではない会社にあっては、株式は流通しませんから株券を発行する必要に乏しいためです。
 
そこで、問題。
 
【問題】
 株式に係る株券を発行するには,その旨を定款に定めなければならない。(新司法試験H18第40問)
 
解答欄
O X

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会社法第30問 株券2
 株券を発行することを定款で定めた会社(株券発行会社)では、株式を発行した日以後、遅滞なく株券を発行しなければなりません(215条1項)。株券発行会社では、株式を譲渡するには株券を交付しなければならないからです(128条1項)。
 もっとも公開会社でない会社は、株券発行会社であっても、株主の請求があるまでは株券を発行しなくてもよいこととされています(215条4項)。
 
 株券を発行するにあたっては、次の事項と株券番号を記載して、株券発行会社の代表取締役(委員会設置会社にあっては、代表執行役)が署名し、又は記名押印しなければなりません(216条)。 1 株券発行会社の商号 2 当該株券に係る株式の数 3 譲渡による当該株券に係る株式の取得について株式会社の承認を要することを定めたときは、その旨 4 種類株式発行会社にあっては、当該株券に係る株式の種類及びその内容
 
 なお、これらのうち1〜3は本質的事項と考えられていますが、1〜3が完全に記載されていれば、4の記載が欠けていてもその株券は有効だとされています。
 
そこで、問題。
 
【問題】
 株式会社資格番長は、定款で株券を発行することを定め、株券を発行したが、株券に商号や株式の数、譲渡制限の定めについてしか記載しなかった。この株券は株券の法定記載事項の記載が欠けているから無効である。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第31問 株券3
 会社法においては、株券は発行しないのが原則ですが、定款に定めれば発行することができます(214条)。
 
 ところで株券を発行する場合、株式の譲渡は株券を譲受人に交付することによって行います(128条)。また株券を占有している者は株式についての権利を適法に有するものと推定されます(131条1項)。これは何を意味するかというと、もし株券をなくしてしまった場合、なくした株券を手に入れた者に株式についての権利をとられてしまう危険性があるということです。
 そのため、株券の所持を希望しない株主のために株券不所持制度が用意されています。
 
 つまり、株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができ(217条1項)、株券を会社に提出します(217条2項)。申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、その株券を発行しない旨を株主名簿に記載・記録し(217条3項)、提出された株券は、記載・記録時に無効となります(217条5項)。
 
 株券不所持を申し出たとしても、株券発行会社において株式を譲渡するにはやはり株券が必要です。そこで、不所持を申し出た株主は、いつでも、株券発行会社に対し、不所持を申し出た株券を発行することを請求することができます(217条6項)。
 
 そこで問題。
 
【問題】
 株券発行会社においても株券不所持が認められているが、不所持の申し出があった株券は、株主名簿に記載・記録された時に無効となり、再度発行されない。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第32問 株券4
 株券発行会社においては、株主は株券を所持しているわけですが、当然、なくしたり、盗まれたりするおそれがあります。株式を譲渡するには株券を交付しなければならないのですから、株券をなくしたり、盗まれた場合には、株券を再発行してもらわなければなりません。
 
 ただし、なくしたから、はい、再発行というわけにはいきません。なくしたり盗まれた株券をそうとは知らずに入手して株主としての権利を行使するという場合もありえます。つまり株券を占有している者は、適法の所持人と推定され(131条1項)、その占有者から株券を交付された者は、悪意または重過失でない限り、株券を取得します(131条2項…善意取得といいます)。ですから、株券をなくしたりした場合は、まずその株券を無効としてもらう必要があります。その手続が株券喪失登録制度です。
 
 すなわち、株券を喪失した者は、株券発行会社に対し、株券喪失登録を請求することができます(223条、会社法施行規則47条)。つまり、株券発行会社は、株券喪失登録簿を作成し、株券喪失登録簿記載事項を記載・記録することになっていますが(221条)、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録することを請求することができます(223条)。
 
 株券喪失登録がなされると、登録中は、その株券について名義書換が停止されます(230条1項)。そして、株券喪失の翌日から1年間が経過すると、その経過した日にその株券は無効となります(228条1項)。そうしてはじめて株券が再発行されます(228条2項)。
 
では、問題。
 
【問題】
 定款で定めれば、会社は株券を発行することができ、その場合、株式を譲渡するには、株券を譲受人に交付しなければならないから、株券を喪失した株主に対しては、請求があれば会社は直ちに株券を再発行しなければならない。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第33問 株式の流通1−株式譲渡自由の原則
 株主は、原則として、自分が持っている株式を他人に譲渡することができます(127条)。
 
 株主が、もう株式はいらない、出資したお金を返してほしいと思っても、会社が、では出資金を返しましょうということにはなりません。というのは、会社が出資金を株主に返してしまうと、当然、会社の財産が減るわけですから、会社財産は十分にあるから大丈夫だと思って、会社と取引した債権者の利益が損なわれるおそれがあるからです。もちろん、会社に財産がなければ、株主が代わって払ってくれるというのであれば、債権者も困りませんが、株式会社では株主は有限責任を負うだけであって(つまり出資金以外の債務は負わないのであって)、債権者が頼れるの会社財産だけですから、会社財産が出資金の返還という形で減ってしまうのは認められないわけです。
 
 では、株主は一度出資してしまったら、お金を取り戻すことはできないのかというと、そうではありません。原則として、会社からは返してもらえませんが、その代わり、株式を他人に売ることによって、投下資本の回収を図る途が認められています。つまり、株式譲渡自由の原則が認められています。
 
では、問題。
 
【問題】
 株主の投下資本回収の方法として、出資金の払戻しによる方法と株式の譲渡による方法のいずれもが保障されている。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第34問 株式の流通2−株式譲渡の方法
 株式は自由に譲渡できるのが原則ですが、具体的にはどのように行うのでしょうか。
 
 まず、株券発行会社の場合、株式の譲渡は、株券を譲受人に交付することにより行います(128条1項)。株券を交付しなければ株式は移転しません。
 
 株券を発行していない会社の場合は、譲渡人と譲受人の意思表示だけで譲渡できます(ex君に、僕の持っている株式会社資格番長の株式を譲ってあげようか?ありがとう、ぜひ譲ってください。)。ただし、それだけでは、…当事者の間限りではそれでいいのですが…、譲受人は、会社やその他の第三者に対しては、自分が新しい株主なんだということは主張できません。株主名簿に譲受人の氏名・名称と住所を記載することが必要です(130条1項)。
 
では、問題。
 
【問題】  株券発行会社の場合も株券不発行会社の場合も、株式の譲渡は当事者の意思表示だけで効力が生じるが、株式の譲渡を会社その他の第三者に対抗するには、株券発行会社の場合は、株券の譲渡、株券不発行会社の場合は、株主名簿の書き換えが必要である。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第35問 株式の流通3−株式譲渡の制限(1)
 株式は自由に譲渡できるのが原則ですが(127条)、例外的に株式の(自由な)譲渡が認められない場合もあります。すなわち、法律、定款、契約によって自由譲渡が制限される場合があります。
 
・法律による制限
 法律による制限には時期による制限と子会社による親株式の取得の制限があります。
 
 そのうち、時期による制限としては、次の2点があります。
 (1)会社成立前(または新株発行前)の株式引受人の地位の譲渡は当事者間では有効ですが、会社に対しては主張できない(35条、63条2項、208条4項)といった制限があります。
 
 (2)株券発行会社では、株券発行前における株式の譲渡は当事者間では有効であるものの、会社との関係では無効です(128条)。これは、株券を発行することにより会社との法律関係(誰がどういう種類の株主で、何株持っている等)を明らかにしようとしているのですから、株券発行前の譲渡を認めると株券を発行する意味が失われてしまうからです。
 とはいえ、会社が株券を発行してくれないといつまでも株式を譲渡できないということになります。そこで、会社が遅滞なく株券を発行しないといった事由がある場合には、当事者間の意思表示だけで(株券の交付なしに)株式の譲渡をすることができ、その場合でも会社は譲受人を株主として認めなければならないとされています(最大判昭和47.11.8)。
 
では、問題。
 
【問題】
 株券発行会社においては、会社との法律関係を簡明にするために株券が発酵されるのであるから、株券発行前の株式の譲渡は、当事者間でも会社に対しても無効である。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第36問 株式の流通4−株式譲渡の制限(2)
 株式譲渡の制限としては、法律による制限のほかに定款による制限があります。
 
 ところで、定款による株式譲渡の制限とは、具体的には株式を譲渡制限株式とするということです。譲渡制限株式とは、株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいいます(2条17号)。つまり、会社の承認を得なければ譲渡(取得)できない株式ということです。  会社は発行する株式を全部、譲渡制限株式とすることもできますし、ある種類株式だけ譲渡制限株式とすることもできます。
 
 会社は規模が大きければ、株主が誰であろうと構いませんし、株式の譲渡は投資したお金を回収するための方法でもありますから、株式は自由に譲渡できることにした方が出資が集まりやすいという面があります。それにも関わらず、なぜ、株式の譲渡制限などをする必要があるのでしょうか。
 
 株式の譲渡制限をする必要があるのは主に規模の小さい会社の場合です。規模の小さい会社の場合、株主は誰でもいいというわけではありません。たとえば同族会社です。同族会社とは、ごく大雑把にいえば1人〜3人の株主(株主グループ)が発行済株式総数のうちの50%以上を有している会社のことです。少人数が牛耳っている会社ってことですな。
 このような同族会社では、1人1人の議決権が大きく(あるいは議決権が多く)、株主が変ると会社の運営が大きく変ってしまうというようなこともありますから、誰が株主になってもいいということはありません(株主の個性が重視されるなどと表現されます)。
 そこで、すべての株式または一部の種類の株式の譲渡について会社の承認が必要だと定款で定めることにより、株式の譲渡に制限をかけることができるようにしたのです(107条1項、108条1項4号)。
 
 なお、会社の承認といっても実際に承認するのは、原則として、取締役会が設けられている会社では取締役会、取締役会が設けられていない会社では株主総会です。ただし、その辺はわりと自由で、定款で代表取締役等を承認権者にすることも認められています。
 
※<同族会社>
 同族会社とは、法人税法に定義がありますが、会社の株主等(その会社が自己の株式又は出資を有する場合のその会社を除く。)の3人以下並びにこれらと政令で定める特殊の関係のある個人及び法人がその会社の発行済株式又は出資(その会社が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合その他政令で定める場合におけるその会社をいいます。
 
では、問題。
 
【問題】
 株式は、原則として自由に譲渡できるが、取締役会の決議により、譲渡制限株式とすることができる。(新作)
 
解答欄
O X

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会社法第37問 株式の流通5−株式譲渡の制限(3)
 すでに発行されている普通株式を譲渡制限株式とすることもできますが、その場合は定款を変更することが必要となります。
 
 ところで、定款を変更するには、株主総会の決議を経ることが必要です。
 
 株主総会の決議は、原則として普通決議により行われますが、定款の変更の場合は、原則として、特別決議によります(466条、309条2項11項)。普通決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の「過半数」を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の「過半数」をもって行われる決議です(309条1項)。  これに対し、特別決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の「過半数」を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の「3分の2以上」に当たる多数をもって行われる決議です(309条2項)。
※いずれ決議も定款で要件を重くすることは可能です。
 
 定款は会社の根本規則ですから、定款を変更するには特別決議によらなければなりません(309条2項11号)。
 
 ところが、定款の変更といっても、普通株式を譲渡制限株式とする場合の定款の変更は、特別決議では足りず、「特殊決議」によることが必要だとされています(309条3項1号)。特殊決議は非常に厳重な決議要件で、議決権を行使できる株主の半数以上、かつ当該株主の議決権の3分の2以上にあたる多数で議決しなければなりません(309条3項)。
※特殊決議も定款で要件を重くすることができます。
 
 なぜ、このような厳重な決議要件を課すのかというと、株式を譲渡するには会社の承認を必要だとして、自由な譲渡を制限されると、投下資本(株式を買ったお金)の回収をしにくくなるからで、株主に不利益が及ぶおそれがあるからです。そこで株主全員とはいわないまでも、相当多くの株主が賛成しない限り、すでに発行されている普通株式を譲渡制限株式とすることはできないこととされているのです。
 
そこで問題
 
【問題】
 株式の発行後に定款を変更して当該株式について譲渡を禁止する定めを設けようとするときは,当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。(新司法試験H18第41問)
 
解答欄
O X

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会社法第38問 株式の流通6−株式譲渡の制限(4)
 株式を譲渡するには会社の承認を必要とする場合でも、一定の場合にのみ承認を必要とするとか、一定の場合には会社の承認を不要とするとか、といった定め方もできます。たとえば、すでに株主である者や会社の従業員に譲渡する場合は不要であるが、外国人に株式を譲渡する場合は承認が必要であるといった定め方もできます。
 
そこで、問題。こんなのも出ました。
 
【問題】
 株式の譲渡による取得について,株主以外の者が取得することについてのみ会社の承認を要する旨を定款で定めることができる。(新司法試験H18第41問)
 
解答欄
O X

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会社法第39問 株式の流通7−株式譲渡の制限(5)
 会社といっても株主が1人しかいない会社もあります。それを一人(いちにん)会社といいます。発起人1人で株式会社を設立することができますし、最初は何人か株主がいても、1人の株主に譲渡して、結果的に株主が1人になってしまうこともありますが、それでも会社は解散する必要がありません。そのため、株主が1人しかいないという会社が存在しえます。
 
 ところで一人会社でも定款で株式の譲渡制限をすることができますが、実際に株式を譲渡する際に会社の承認が必要なのでしょうか。会社の承認なしに譲渡した場合どうなるのでしょうか。もちろん当事者間では有効です。では会社に対しても有効かというと、これは有効だとされています(最判平成5.3.30)。
 
 原文は次のとおりです。
(旧)商法204条1項ただし書が、『株式の譲渡につき定款をもって取締役会の承認を要する旨を定めることを妨げないと規定している趣旨は、専ら会社にとって好ましくない者が株主となることを防止し、もって譲渡人以外の株主の利益を保護することにあると解されるから、本件のようないわゆる一人会社の株主がその保有する株式を他に譲渡した場合には、定款所定の取締役会の承認がなくとも、その譲渡は、会社に対する関係においても有効と解するのが相当である』。
 
 そこで、問題。
 
【問題】
 株式会社資格番長は代表取締役としてA、取締役としてBC、株主はA1人という株式会社である。Aは新規事業を立ち上げて、それに専念するため、Xに対して、株式会社資格番長の株式を全部譲渡することにしたが、その際、定款に下記のような定めがあったのにも関わらず、取締役会の承認手続をとらずにXに譲渡してしまった。
 この場合、判例によれば、株式譲渡はAX間では有効であるが、株式会社資格番長に対する関係では無効である。
 
(株式の譲渡制限)
第O条 当会社の発行する株式は,すべて譲渡制限株式とし,これを譲渡によって取得するには,取締役会の承認を要する。

 
解答欄
O X

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会社法第40問 株式の流通8−株式譲渡の制限(6)
 譲渡制限株式の譲渡による取得について,承認するかどうかを決定する機関は、原則として、次のとおり(139条1項本文)。
・取締役会が設置されている会社 …取締役会
・取締役会が設置されていない会社…株主総会
 
 ただし、定款で定めれば、代表取締役、株主総会等に変更することもできます(139条1項但書)。
 株式の譲渡制限は、会社にとって好ましくない者が株主になることを防ぐための制度ですから、どの機関が承認するかはあまり重要な問題ではありません。また、承認を拒否された場合は株式の買取りを会社に請求できるのですから、やはりどの機関が承認するかは重要な問題ではありません。そこで承認する機関を定款で定めることができるようにしました。それが139条1項但書です。
 
そこで問題。
 
【問題】
 株式の譲渡による取得について,取締役会設置会社では,取締役会ではなく株主総会の承認を要する旨を定款に定めることはできない。(新司法試験H18第41問)

 
解答欄
O X

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会社法第41問 株式の流通9−株式譲渡の制限(7)
 合名会社、合資会社又は合同会社を総称して持分会社といいます(575条1項)。持分会社において、持分を譲渡するには当事者間の契約に加えて、他の社員の全員の承諾が必要です(585条1項)。ただし定款で別段の定めをすることは可能です。
 また、業務を執行しない有限責任社員がその持分を譲渡するには、業務執行社員の全員が承諾することが必要です(585条2項3項)。ただし、この点についても定款で別段の定めをすることは可能です。
 
そこで問題。
 
【問題】
 合名会社の社員は,定款に別段の定めがない限り,他の社員の全員の承諾がなければ,その持分を他人に譲渡することができない。(新司法試験H18第41問)

 
解答欄
O X
 
【問題】
 合資会社における業務を執行しない有限責任社員は,定款に別段の定めがない限り,業務を執行する社員の全員の承諾があれば,その持分を他人に譲渡することができる。(新司法試験H18第41問)

 
解答欄
O X

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会社法第42問 株式の流通10−株式譲渡の制限(8)
 会社は株式の譲渡制限をすることができるわけですが、その場合でも会社法は株主に対し投下資本の回収を認めています。つまり会社に対し譲渡について承認を求め(136条)、会社が承認しない場合には、会社自身が買取るか(140条1項)、代わりの買取人(指定買取人)を指定するよう求めることができます(140条4項)。株式の譲渡制限は、会社にとって好ましくない者が株主になることを防ぐための制度であるからです。
 なお、譲渡制限株式について譲渡が行われた場合、会社の承認がなくても当事者間では有効であるとされていますから(最判昭和48年6月15日)。譲渡の承認は譲渡人だけでなく譲受人も求めることができます(137条)。
 
 ところで買取人が指定されたとした場合、指定買取人は、譲渡等承認請求者に対し、一定の事項を通知しなければなりませんが(142条1項)、指定買取人がこの買取りの通知をすると、指定買取人と譲渡人との間で売買契約が成立するとされています。その価格は当事者または会社の申立てにより裁判所が決定することになります(144条2項等)。
 
そこで、問題。
【問題】
 譲渡制限株式の譲渡であっても、会社に対して譲渡の承認を求めることができるが、会社は必ずしも承認しなければならないわけではなく、会社自身が買取るか、また買取人を指定してもよい。
 
解答欄
O X

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会社法第43問 株式の流通11−株式譲渡の制限(9)
 譲渡制限株式は譲渡が制限されているものの、その株主が死亡すれば、相続人に承継されることになります(民法896条参照)。それは会社にとって必ずしも好ましいことではありません。そこで、譲渡制限株式について、相続その他の一般承継によって取得した者に対して、会社がその株式を売り渡すことを請求することができます(174条)。これが相続人等に対する売渡しの請求の制度で、会社法で新設されました。
 会社が売渡請求をするためには、その旨を定款で定めておかなければなりません(174条)。その上で、その都度、株主総会で一定の事項を決めて、売渡請求をします(175条、176条)。
 価格は当事者が協議により決めますが、決まらなければ裁判所が当事者の申立てにより決定します(177条)。
 
そこで、問題。
 
【問題】
 譲渡制限株式を有する株主Aが死亡し、相続人Bが当該株式を承継した場合、会社はBに対し当然に売渡請求をすることができる。

 
解答欄
O X

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会社法第44問 株式の流通11−株式の担保差入れ
 株式を有する者、すなわち株主は剰余金の配当を受ける権利や残余財産の分配を受ける権利をもっているわけですから、株式には財産的な価値があります。そこで、会社法は、株式を担保に入れることを認めています。具体的には株式に質権を設定することができます。
 たとえば、甲株式会社の株式を有する者AがBから借金をする際に、Aは甲株式会社の株式に質権を設定して、もしAがBに借金を返せない場合には、本来Aが甲株式会社から受けるべき配当金をBが会社から直接受けたり、物上代位により債権の満足を得ることができるようにするのです。
 
 ところで株式に質権を設定する方法には、略式質と登録質の2つがあります。
 
 略式質とは、株券を交付することによって行う方法です(146条 2項)。単に交付するだけで、会社とは関係のないところで行われますから、会社は質権設定者を株主として扱うことになります。したがって、質権者は会社から直接利益配当を受けるのではなく、利益配当について物上代位により債権の満足を得ることになります。
 なお、略式質は株券を交付する必要がありますから、株券不発行会社は利用できません。
 
 これに対し、登録質とは、株券を交付することに加えて、さらに株主名簿に質権者の氏名等を記載することによって行う方法です(148条 )。株券発行会社はもちろんですが、株券不発行会社の株式についても認められます(この場合は合意によって行います。)。名簿に記載されますから、質権者は会社から、直接利益配当等を受けることができます。
 
 なお、株券発行会社の場合は、いずれの方法による場合も株券の継続占有が会社および第三者に対する対抗要件です(147条)。
 
そこで、問題。
【問題】
 AはBから金銭を借り受けるにあたり、Aが有する株式会社資格番長の株式に質権を設定することにし、Aが所持する株券は交付しなかったものの、ABはその質権設定契約について合意した上、同社の株主名簿にBの氏名、住所等を記載した。この場合、Bは同社から直接利益配当を受けることができる。ただし、株式会社資格番長は株券を発行しているものとする。
 
解答欄
O X

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会社法第45問 自己株式の取得1
 株式会社が有する自己の株式を自己株式といいます(113条4項)。自己株式を取得すること(買取ったり、無償で譲り受けたりすること)は平成13年改正までは原則として禁止されていました。自己株式を会社が有償で取得するということ(買取るということ)は、株主に対して代価を払うということですから、それは結局出資金の払戻しということになります。また、その価格が高いと不平等です。その他相場操縦など不公正に株式の取引が行われたり等の弊害があったため自己株式の取得は禁止されていました。
 しかし、一方で、経済界から自己株式の取得について認めてほしい旨の要望があり(たとえば余剰資金があるのに、その投資先がないというような場合には自己株式の取得を認めれば、余剰資金を株主に返却できます。
)、他方で自己株式の取得を一律に禁止しなくても、弊害ごとに必要な手当てをすればすむことから、法律が定める場合には自己株式の取得ができるようになりました。
 
では、どのような場合に自己株式を取得できるかですが、会社法では155条に規定があります。
 
そこで、問題。
【問題】
 自己株式の取得は出資金の払戻しにあたり、会社の財算的基礎を危うくするから、会社法においては禁止されている。
 
解答欄
O X

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会社法第46問 自己株式の取得2
 自己株式を取得することは可能で、どのような場合に自己株式を取得できるかについては、会社法では155条に規定がありますが、自己株式の取得については弊害がありますから、それぞれ必要な規制がなされています。
 
 ところで、自己株式の取得の方法には、次のような方法があります。
 
1.すべての株主に申込機会を与えて行う取得
 株主を特定しないで取得する方法です。
 
2.特定の株主からの取得
 特定の株主だけが株式を会社に売却できることになりますから、株主間の平等を害するおそれがあります。そのため、厳格な手続が要求されます。
 
3.子会社からの取得
 親会社が子会社がもっている親会社の株式を取得する場合です。
 もっとも、子会社が親会社の株式を取得することは原則として禁止されています(135条1項)。しかし、子会社がある会社を吸収合併しようとしたところ、その会社の財産の中に親会社の株式が含まれているということがあるなど、やむを得ず親会社の株式を取得せざるを得ない場合もあります。また親会社の株式であっても無償で取得するならば弊害が小さいという場合もあります。そこで、例外的にではありますが、一定の場合には子会社が親会社の株式を取得することが認められています。
 そして、子会社が親会社の株式を取得した場合、親会社はその株式を取得することができます。その場合、簡易な取得手続が認められています。、子会社が親会社の株式を容易に処分できるようにするためです。
 
4.市場取引等による取得
 株式を上場している会社は、市場取引または公開買付けにより自己株式を取得することができます。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式会社は、原則としてその親会社の株式を取得することはできないが、例外的に取得した場合、厳格な手続のもとで親会社に譲渡することができる。
 
解答欄
O X

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会社法第47問 自己株式の取得3
 自己株式取得の手続・方法の規制に違反した場合、その効力はどうでしょうか。
 違法に自己株式を取得した場合、刑事罰が科せられています。すなわち、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するとされています(963条5項1号)。
 では、私法上の効果はどうなのかについては規定がありません。つまり自己株式の取得が有効なのか、無効なのかは会社法上は不明です。そこで、解釈によるということになりますが、通説は違法な自己株式の取得は無効であると考えています。また、無効を主張できるのも会社側だけだと解されてきました。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式会社資格番長は、会社法が定める取得手続によらずに同社の株主Aから株式を買い受けた。この場合、株式会社資格番長は、Aはその代金の支払請求を拒むことができる。
 
解答欄
O X

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会社法第48問 自己株式の取得4
 取得されて、保有し続けられる自己株式を金庫株といいますが、自己株式を取得する目的は、取得した株式をストック・オプションや株式交換等に備えて保有すること、または株式を消却することにあります。そのため、期間制限なしに保有し続けることができます。
 ただし、会社が保有する自己株式について、以下のような制限があります。
@議決権を有しない(308条2項)。
A共益権も有しない。
B剰余金の配当はできない(453条)。
C募集新株等の株主割当ては受けない。
 
 もっとも、株式併合・株式分割を受ける権利は有します。
 
※金庫株とは、会社が自己株式を期間制限なしに保有することで、アメリカで「treasury stock」(treasury=金庫、stock=株式)といわれているものをそのまま日本語にしただけです。
※株式の消却とは、発行済株式総数を減少させて1株あたりの価値を向上させるため、株式を消滅させることをいいます。
 
そこで、問題。
【問題】
自己株式に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(新司法試験H18第42問改)
 
ア.株式会社が自社の発行した株式を取得したときは,相当の時期にその有する自己株式を消却し,又は処分しなければならない。

 
イ.株式会社は,その保有する自己株式について,議決権を有しない。

 
ウ.株式会社が株式の分割をするときは,その保有する自己株式の数も当該分割の割合に応じて増加する。

 
エ.株式会社は,定款に定めがあるときは,その保有する自己株式について,剰余金の配当をすることができる。

 
1.アイ
2.イウ
3.ウエ
4.エア
5.イエ
 
解答欄
1 2 3 4 5

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会社法第49問 会社に対する権利行使1
 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができません(130条1項)。つまり会社に対する権利行使の仕組みとして株主名簿の制度があります。
 株式会社は本来多数の株主がいて、しかも絶えず変動するものですから、誰が現在株主なのかが明らかでないと、会社からの通知や株主の権利行使がスムーズになされません。そのため、株主名簿を作成し、そこに株主の情報を記載することとしています。
 そのため、株式を譲渡するにあたっては、会社との関係では、株主名簿上の名義を株式の譲受人の名義に書き換えてもらわなければなりません。株券を発行していない会社では名義書換が会社および第三者に対する対抗要件になります。
 株主名簿がこのようなものある以上、株主総会の招集通知等をする際は株主名簿上の株主の住所(または株主が会社に通知した宛先)に対してすればよいということになります(126条1項)。また配当をするにも株主名簿上の株主に対して配当すれば、実際は株式が譲渡されて、株主が変っていても会社は免責されます。
 
そこで、問題。
【問題】
 Aは株式会社資格番長の株主であったが、Bに対し、保有する全株式を譲渡した。その後、Aに対し剰余金の配当がなされた。この場合、株主名簿上の名義にかかわらず、Bは会社に対し、改めて自分に剰余金を配当するよう請求することができる。なお、株式会社資格番長は株券不発行会社であるものとする。
 
解答欄
O X

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会社法第50問 会社に対する権利行使2
 議決権等の権利を行使するのは株主ですが、株主といっても当然のことながら行使の日においての株主です。しかし、たとえば株主総会での議決権などについては、総会当日に誰がその時点での株主であるかを確定するのは困難です。そこで、基準日という制度が設けられています。要するに、行使の日ではなく、一定の日を定めて、その日に株主として株主名簿に記載されている株主を権利者と定めることができます(124条1項)。そして、その一定の日を基準日といい、権利行使の日の前の3か月以内の日でなければなりません(124条2項)。また、基準日を定める場合は基準日と権利内容を定款で定めておくか、あるいは2週間前までに公告する必要があります(124条3項)。

 
 なお、基準日の後に株主になった者であっても、議決権については、会社の側から権利を行使できる者として認めることができます(124条4項)。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式会社資格番長は平成19年6月28日に株主総会を行うことになったが、同社の定款には、下記のような定めがあった。この場合、4月15日に株式を取得した者が平成19年6月28日の株主総会において議決権を行使できることはない。
 
株式会社資格番長の定款(抜粋)
第OO条 当会社は、毎年3月31日の最終の株主名簿に記載または記録された議決権を有する株主をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利を行使することができる株主とする。
解答欄
O X

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会社法第51問 会社に対する権利行使3
 株券発行会社においては、株式の譲渡にあたり、株券の交付があれば当事者間では十分ですが、譲受人が会社に対して株主であることを主張するには株主名簿上の名義を譲受人名義に書き換えてもらわなければなりません。株券不発行会社においては、原則として当事者間の意思表示で譲渡の効力は生じますが、会社及び第三者に対して、譲渡を対抗するには株主名簿の書換えが必要です。
 
 株券発行会社での株主名簿の書換えは株式の譲受人が会社に株券を提示して請求します。株券を占有する者は適法な権利者と推定されるため、会社は反証がない限り、書換えに応じなければなりません。
 株券不発行会社では、株主名簿上の株主と譲受人が共同して書換えの請求をします(133条2項)。
 
 名義書換の効果としては、、以後、譲受人が会社に対して株主であることを主張でき、会社も譲受人を株主として扱わなければなりません。では、株式が譲渡されたものの、まだ名義書換がなされていない場合、会社の側から譲受人を株主として扱うことはできるですが、判例は肯定しています(最判昭和30年10月20日)。名義書換は譲受人が株主であることを会社に対して主張するための要件であり、会社の側から譲受人が株主であることを認めることは何ら差し支えないからです。
 また、会社が不当に名義書換を拒絶したり、怠った場合については、名義書換未了であっても会社に対して自分が株主であると主張することができます。
 
そこで、問題。
【問題】
 判例によれば,株式会社は,株主名簿名義書換未了の株式譲受人を株主として扱うことができる。(新司法試験H18第40問)
 
解答欄
O X

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会社法第52問 振替決済制度
 株券発行会社では、株式を譲渡するには株券を引き渡すことが必要です(従来は株券を発行しなければなりませんでした)。しかし、株式の譲渡が頻繁に行われるようになると、いちいち株券を引き渡すことはあまりにも煩雑です。そこで導入されたのが株券保管振替制度です。
 この制度は一言でいえば、希望する株主(顧客とよばれます)の株券を保管振替機関に預ってもらう制度です。ただし、株主が直接頼むのではなく、証券会社や銀行等(参加者とよばれます)を通じて預託します。
 参加者(証券会社・銀行等)は保管振替機関に口座を作り、顧客(株主)は参加者(証券会社・銀行等)に口座を作ります。そして株式の譲渡は、口座どうしの振替記帳によって行い、株券の引渡しをすることはありません。
 なお、株券保管振替制度を利用する場合、株主名簿上の株主は保管振替機関の名義となります。ただし、会社は顧客の氏名を記載した実質株主名簿を作成しなければなりません。顧客の会社に対する権利行使や会社からの通知は実質株主名簿に基づいて行われることになります。
 
 ところで、株券保管振替制度は、近い将来(平成16年6月9日から5年以内)、新しい振替制度に移行することになっています。
 
そこで、問題。
【問題】
 株券保管振替制度を利用している場合において株式を譲渡するには、振替記帳及び株券の引渡しが必要である。
 
解答欄
O X

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会社法第53問 株式の消却
 株式の消却とは、株式を消滅させることをいいますが、現行法では会社が保有する自己株式についてだけ消却を認めています。
 従来は資本減少のための消却や配当可能利益による消却がありましたが、会社法では会社が保有する自己株式を消却する場合だけを株式の消却としています。そこで会社以外の株主が保有する株式を消滅させるには、会社がその株式を引き取って、それを自己株式として消却するということになります。
 株式消却の手続としては、取締役会決議で消却する自己株式の数を定めることが必要です(178条)。
 自己株式を消却すると発行済株式総数が減少します(そのため、1株あたりの価値が向上します。)。しかし、だからといって発行可能株式総数や発行可能種類株式総数が減少することはありません。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式会社が資本減少のために株式を消却するには、まず会社が株式を自己株式として取得することが必要であり、取得後、自己株式として消却することになる。

 
解答欄
O X

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会社法第54問 株式の併合
 株式の併合とは、2株を1株にとか、5株を1株にするというように、複数の株式をそれよりも少数の株式とすることです(180条1項)。
 株式を併合すると発行済株式「数」が減少します。そうすると株価の上昇が期待できます。また、たとえば株主総会の通知も少なくてすみますから、その送料など株主の管理コストも削減することができます。
 しかし、株式の併合のこのようなメリットに対し、他方で株主の利害に様々な、しかも重大な影響を与えます。つまりたとえば3株を1株に併合する場合、2株以下の株式しか有していない者は株主の地位を失います。また少数派の株主が締め出されるおそれもあります。
 そのため、株式の併合を行うためには、その都度株主総会の特別決議を経なければならず(180条2項、309条2項4号)、また取締役が株主総会で株式併合を必要とする理由を説明しなければなりません(180条3項)。
 特別決議では、@併合の割合、A併合の効力発生日、B種類株式の場合は併合する株式の種類を定めます(180条2項、309条2項4号)。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式会社が株式併合をするためには、株主総会の特別決議が必要である。(公認会計士試験H18問題6)

 
解答欄
O X

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会社法第55問 株式の分割1
 株式の分割とは、1株を2株、5株、10株にするといったように、株式を細分化してより多数の株式とすることをいいます。会社法は株式の分割を認めています(183条1項)。
 株式の分割をしたからといって、会社の資産が増加するわけではありませんが、発行済株式数が増加しますから、株価が引き下がり、また株式の流動性が高まります。たとえば1株100万円の株式が10分割されて1株10万円になれば、より活発に取引されるようになると考えられます。
 また、株式の分割は、各株主の保有株式数に応じて株式を増加させるものですから(181条1項)、各株主の持株割合には変動はありません。したがって、会社の支配関係に対して無影響です。
 このように、株式の分割は株主の利益に実質的な影響がないため、株式の併合と異なり、取締役会設置会社であれば取締役会の決議で行うことができます(183条2項)。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式会社は、取締役会の決議によって、株式分割を行うことができる。(公認会計士試験H18問題6)

 
解答欄
O X

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会社法第56問 株式の分割2
 株式を分割すると当然、発行済株式数が増加します。そうすると、分割の割合によって発行済株式数が発行可能株式総数を超えてしまうこともありえます。発行可能株式総数は定款で定められているため、株式分割により発行済株式数がそれを超える場合は定款の変更が必要になります。ただし、定款変更には株主総会の特別決議が必要ですから(406条、309条2項11号)、機動性に欠けます。そのため、会社法は、株主総会の特別決議を経ることなく、分割に応じて発行可能株式総数を増加する定款の変更をすることを認めています(184条2項)。たとえば発行可能株式総数が10万株、発行済株式総数4万株の会社が1株を2株に分割する場合、取締役会の決議で(株主総会の特別決議を経ることなく)、分割後の発行可能株式総数を20万株とすることができます。
 なお、株券発行会社の場合は、株式分割の効力が生じたら、遅滞なく分割によって増加した分の株券を発行しなければなりません(215条3項)。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式分割により、発行済株式総数が発行可能株式総数を超えることになる場合には、株式分割の前に株主総会の特別決議による定款変更を行わなければならない。(公認会計士試験H18問題6)
 
解答欄
O X

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会社法第57問 株式の無償割当て1
 株式の無償割当てとは、株主に対して無償で株式を割り当てることをいいます(185条1項)。無償でということは新たな払い込みをさせないでということであり、株式の割当てということは、株式を発行するか、または保有する自己株式を交付するということです。
 株式の無償割当ては、そのつど、取締役会の決議(取締役会が設置されていない会社では株主総会の決議)で、一定の事項を定めて行います。
 その効力は、取締役会等の決議で定めた効力発生日に生じ、株主は割当てを受けた株式の株主となります(187条1項)。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式の無償割当ては、そのつど、取締役会の決議(取締役会が設置されていない会社では株主総会の決議)で一定の事項を定めて行われ、新たに払い込みをさせないで、株式が発行されるか、また自己株式が交付される。
 
解答欄
O X

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会社法第58問 株式の無償割当て2
 株式の無償割当ては株式分割と類似しており、ともに、株主に対して同一種類の株式を株式数に応じて平等に与える方法です。またいずれも新たな払い込みがなされないので、資本金の額は増加しません。
 
 しかし株式の分割は株式の計数の変動にすぎないのに対し、株式の無償割当ては、株式の発行または自己株式の交付です。そのため、以下のような相違点があります。
 
@増加する株式
・株式の分割…同一種類の株式の数が増加する。
・無償割当て…同一、または異なる種類の株式を交付することができる。
A対象(186条2項)
・株式の分割…自己株式の数も増加する(自己株式も分割の対象となる)。
・無償割当て…自己株式には割り当てられない。
B自己株式の交付(186条2項)
・株式の分割…自己株式の交付ということはない。
・無償割当て…自己株式を交付することができる。
C基準日
・株式の分割…基準日を設定しなければならない。
・無償割当て…基準日を設定しなくてもよい。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式分割の場合は、自己株式も分割の対象となるため、自己株式の数も増加するが、株式の無償割当ての場合は、自己株式は株式の割当ての対象とならない。

 
解答欄
O X

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会社法第59問 単元株制度1
 単元株制度とは、一定数の株式をまとめて1単元とし、その1単元ごとに1個の議決権その他の権利を行使させる制度です(188条)。
 本来は、1株につき1個の議決権を行使できるはずですが、株式の単位が小さい会社では1株あたりの出資額よりも株主の管理コスト(株主総会の招集通知や添付書類の送料など)が高くなってしまいます。そこで、議決権その他の権利を行使できるのは、1単元の株式を持つ株主に限り、一定数に満たない株式しか有しない株主の議決権を排除して株主管理コストを抑えることができるようにしたのです。
 ところで、どの程度まで単元をまとめることができるかですが、あまりに多いと株主の利益を害します。つまり多くの株主が議決権を奪われ、一部の株主が議決権を独占するといった事態を招きます。そこで、その上限の数を法務省令(会社法施行規則)で定めることとしています(188条2項)。そして会社法施行規則34条では、1000までと規定しています。つまり1000個の株式を1単元とすることができます。
 
会社法施行規則第34条
 法第188条第2項に規定する法務省令で定める数は、1000とする。

 
そこで、問題。
【問題】
 株式会社資格番長の株式は1株100円であり、しかも少数の株式しか有しない株主が多かった。そのため株主総会の招集通知などの費用が出資額にまったく見合わなかったため、単元株制度を採用することとし、1単元の株式数を10000と定めた。この定めは適法である。
 
解答欄
O X

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会社法第60問 単元株制度2
 単元株制度を採用するには、株主総会の特別決議で定款変更の承認が必要です(466条、309条2項11号)。その際、取締役は単元株制度を採用する理由を説明しなければなりません(190条)。単元株制度が採用されると株主の議決権が制限されるため、このような厳格な手続が要求されます。
 この手続は、すでに単元株制度が採用されている会社において、単元株式数を増加する場合にも必要です。やはり議決権が制限されることになるからです。しかし、逆に単元株制度を廃止する場合は、株主総会の決議なしに定款を変更することができます。この場合は株主に利益をもたらすからです。
 
そこで、問題。
【問題】
 株式会社資格番長はすでに単元株制度を採用していたが、単元株式数を増加することとした。この場合でも株主総会の特別決議で定款変更の承認を得なければならない。
 
解答欄
O X

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会社法第61問 単元株制度3
 単元株制度を採用した会社においては、株主は1単元ごとに1個の議決権を行使することができるが、単元未満株式については議決権を行使することはできません(189条1項)。
 ところで、単元未満株式しか有しない株主は、議決権および議決権を行使できることを前提とする権利は行使できませんが、それら以外は原則として行使できます。
 しかし、定款で定めれば、議決権等以外の権利についても制限することができます。たとえば、剰余金分配請求権や代表訴訟を提起する権利を奪うことができます。ただし、それでもなお制限できない権利もあります。以下の権利は定款をもってしても単元未満株主から奪うことはできません。
@全部取得条項付種類株式の取得対価の交付を受ける権利
A取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利
B株式無償割当てを受ける権利
C単元未満株式の買取請求権
D残余財産分配請求権
Eその他法務省令(会社法施行規則35条)で定める権利…株主名簿の閲覧請求権など
 
そこで、問題。
【問題】
 単元株制度は、株主管理コストをおさえるために株式の一定数をまとめて1単元とし、単元未満株式について議決権を制限する制度であるから、議決権および議決権を前提とする権利以外の権利は定款によっても制限することはできない。
 
解答欄
O X

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会社法第62問 単元株制度4
 単元未満の株式しか有しない株主は、議決権が制限され、さらにその他の権利も制限されることがあります。単元株式制度は株主総会の特別決議で定款変更がなされることにより導入されます。つまり株主の同意を得ているわけですが、それでも必ずしも株主全員が納得しているわけではなく、単元未満株式であればもはや株主である意味はないと考える株主も出てくることが想定されます。そのため会社法は単元未満株式の株主に買取請求権を認めています(192条1項)。すなわち、単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができます。これによって投下資本の回収ができるようにしているのです。
 単元未満株式の株主は、買取を希望する単元未満株式の数を明らかにして会社に対し買取請求をします(192条2項)。なお、買取請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾がない限り、当該請求を撤回することができません。
 
そこで、問題。
【問題】
 単元未満株式の株主の買取請求権は、単元未満株式の株主の投下資本回収のための制度であるから、買取請求をしても株主は自由に撤回することができる。

 
解答欄
O X

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会社法第63問 単元株制度5
 単元株式制度が導入されて単元未満株式が生じた場合、株主であることをやめて買取請求権(192条)を行使することができます。これに対し、単元未満であるなら、1単元の株式数に達するまで株式を取得して、1単元の株主となることを望む株主がいると想定することもできます。そのために認められた制度がが単元未満株式の株主の売渡請求制度です(194条)。
 すなわち、単元未満株主は、その有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを会社に足し請求することができます。
 売渡請求権の制度を導入するには、会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求をすることができる旨を定款で定めます(194条1項)。
 単元未満株主から売渡請求を受けた場合、会社は、自己株式を当該単元未満株主に売り渡すことになります。ただし、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合は売渡請求に応じる必要はありません(194条3項)。
 
そこで、問題。
【問題】
 単元未満株主は、その有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを会社に足し請求することができ、売渡請求を受けた会社は、必ず自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。

 
解答欄
O X

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